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企業レポート

じわり光明 藤久 2月28日 (2017.02.27)

3月以降追い込む構え 
有効需要に的をしぼりやり切る        
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藤久(9966)は反転待ち。2013年から三角もち合い。じわり光明を見出した。昨年10月から既存店が断続的に前年を上回り1~3月需要期入り。
1月100.6%(2Q累計98.5%)に対し2月一服。3月以降追い込みに全力を挙げる構えだ。前回述べたように、既存店の立て直しを最重要課題に巻き返し。昨年11月から「岡本啓子ニットスタジオ」開講(スクール17店舗)、「ビーズスタジオ」(5店舗)、「レッスンバッグ講習会」(クラフトグループ227店舗)など的をしぼった提案活発。やり切ることで結果が出始めた。推定1500億円といわれる手芸業界の市場。主要顧客の高齢化に伴いじり貧をたどったものの、ニットデザイナー監修の編み物やキャラクター動員、入園・入学準備の手作りアイテムなど地道な努力の積み重ねが新規顧客に受け入れられた印象。前期末496店舗(純増5)。今期出店22(退店27)の計画で期末491(純減5)の見込み。本部と店舗の連携が密になり、一時撤退したビーズを約1万アイテムに拡大投入した影響を除くと在庫改善。2Q累計60億円弱(前期末56億円)にとどまった。2012年(創業60年)から22年にかけて100年企業の仕込み。AI、ロボット、IoTの時代になっても、次の世代に受け継がれるのが教えること。学ぶことにつながりステークホルダーの喜びが生まれる。2017~18年調整運に相当し、仕込みに打ってつけ。後藤社長(59)も同運でなおさらだ。英国がEU離脱、米国もトランプ氏の大統領就任から1年が10年分に相当する過渡期。前期始まった制度改革が来期実を結ぶとすれば、3月以降に追い込みに結果がついてくる。1月31日発表された家計調査(2人以上の世帯)によると、2013年1.0%増だった消費支出が14年2.9%減、15年2.3%減、16年も2月の1.3%増を除きすべてマイナス。同社の三角もち合いと連動しており、17~18年踏ん張りどころ。業界大手の「ユザワヤ」や「パンドラハウス」(イオンリテール)も苦戦している。
 2017年6月期(非連結)は、売上高219億4300万円(0.7%増)、営業利益3億3200万円(22.1%増)、経常利益3億4200万円(21.9%増)、純利益1800万円と従来通り。配当20円(中間10円)の予定。前半計画線だが尻上がり。じわじわ改善しており有効需要にアタリがきている。標準仕様が一巡しカスタマイズされたマーケットが顔を出した。IoTもそうで職人並みのAIやロボットが活躍し毛糸や生地も生まれ変わる。現に、岡本啓子のニットスタジオが人気。すたれる一方だった毛糸がむくむく動き出したという。店舗販売が94.3%を占め、通販5.5%(2016年6月期)にすぎないものの、市場がレベルアップするとネット通販もヒット。さまざまな機会を通じて教え甲斐がある。財務抜群(1株当たり純資産2902円)で無借金だけに仕込み本格化。膠着状態から変わり始めた。

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