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企業レポート

一段と盛り上がる 矢作建設 2月21日 (2017.02.20)

10年大丈夫10年後も
首都圏に食い込み地元でも受注
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矢作建設工業(1870)は絶好調。3Q累計連結受注高558億9800万円(23.9%増)。一段と盛り上がっている。堅調な民間・公共・住宅投資によるもので、営業利益63億9000万円(11.4%増)、経常利益 64億3200万円(12.2%増)、純利益49億1500万円(26.1%増)ともに区間新。
売上高633億円(0.2%減)は、49億5000万円(53.1%減)にとどまった耐震補強工事の落ち込みが主因。公立中小学校の需要が一巡し、官公庁や民間施設も盛り上がりに欠ける。これまで十分役割を果たした。16日、JR春日井駅南地区の第一種市街地再開発事業に岡谷鋼機(7485)、野村不動産と共に特定業務代行者として事業参画を表明。前回述べた名古屋市港区の金城ふ頭に4月オープンする野外テーマパーク「レゴランド・ジャパン」隣接地の複合商業施設「メイカーズ・ピア」(モール系53店舗)。スウェーデン家具大手「イケア」の日本法人が全国指折りの愛知県長久手市に今秋9番目の店舗(売り場約2万㎡で最大規模)を出す予定で地元の街づくりに意欲。このほか、商業・物流施設の大型案件や自社開発の大規模工業団地も売出し中。東京五輪に吸い込まれ首都圏の受注に食い込む一方、ガラ空きといわれる名古屋の物件にも抜かりない。リニア中間駅や北陸新幹線延伸も受注した模様で材料豊富。この上、2020年着工といわれる名駅再開発事業が待ったなし。筆頭株主の名鉄(9048)が施主で総事業費2000億円の触れ込み。JR東海のゲートタワー4月開業を控えカウントダウンに入った。JRのリニア、新幹線、在来線に名鉄、近鉄、地下鉄が乗り入れ、1日最大900本の列車をさばく名鉄名古屋駅、バスターミナル、高速道路など立体交差。稼働しながら名鉄百貨店と日生笹島ビル南北400mを一本で結ぶという100年に1度の大工事が始まる。2027年リニア開業まで10年。前代未聞のプロジェクト。ヒト、モノ、カネにAI・ロボット・IoTなどあらゆる経営資源を動員し受注を目指す構えだ。バブル崩壊、リーマンショックと通じて自動車中心に製造業の生産性が格段に上がる一方、ゼネコンをはじめ建設業の遅れに直面。5年前物故したオーナー(享年58)の代名詞「デザインC」を思い出した。一口でいうと、施主のニーズを満たすため最も合理的な解を提案すること。一例が「バンベール」シリーズ。すっかりブランドになった。
2017年3月期(連結)は、売上高900億円(1.4%増)、営業利益76億円(3.4%増)、経常利益同(3.8%増)、純利益50億円(7.2%増)と従来通り。2円増配し24円配当(期末12円)の予定。3Q累計売上高70.3%、営業利益84.0%の進捗率で上方修正含み。今年も社運好調。高柳社長(55)が尻上がり。10年大丈夫だ。来期もピーク更新が見込まれ、人材確保と生産性向上が課題。前田建設(1824)のコンセッション(公共施設等運営)に関心を向け、維持・管理・更新など10年後のテーマも検討している。

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