証券ビュー

企業レポート

前途を左右する年 カネ美 2月14日 (2017.02.13)

実力で乗り越える構え
デッドヒートにもポジション確保
企業HPご案内   前回の企業レポート
カネ美食品(2669・JQ)は反転待ち。三角もち合いに入った。昨年9月、ユニー・ファミリーマートHD(8028)が発足して半年。2月3日にトップ交代が伝えられ経営統合半ばの状態。
同HDの指揮系統と現場が噛み合わないためだ。7日発表された3Q累計(非連結)によると、売上高669億100万円(1.0%減)、営業利益19億3300万円(22.4%減)で進捗率74.3%、60.9%。1月度の月次売上高も全社合計97.8%。テナント既存店計99.3%、外販既存工場計90.8%にとどまった。減収と統合に伴う設備投資や備品の入れ替えなどコスト先行が響いている。伊藤忠(8001)が昨年同HDを買い増し保有比率34.47%(従来33.44%)。一段と伊藤忠色が強くなり旧ユニーグループのプレゼンスが低下。4月に発表される同グループのスーパー・コンビニ事業再構築を巡りもう一悶着ありそうだ。10日、三菱商事(8058)がローソンのTOBを完了。出資比率50.1%に達し、業界3位に後退したローソンテコ入れに動いた。コンビニ3強時代のデッドヒートによるもの。セブン・イレブンキャッチアップが符丁になった。コンビニ加盟店の契約によれば、本部支援やロイヤルティなど勘案すると日販の低いところほど不利。数年来、商品力を強化している同社にとっても正念場。絶えず指揮系統と現場が噛み合うよう前向きに対応し勝ち抜くほかない。3大都市圏中心に全国16工場。本格的な仕込みに入った。10兆円目前の中食(なかしょく)市場。内食35兆円、外食24兆円といわれる中で2025年がターニングポイント。団塊の世代が75歳以上の後期高齢者になりダウンサイジング。生鮮食品より惣菜や弁当など調理食品。中食に収斂するためだ。同社は旧ユニーグループでありながら人口動態、女性の就労化、単身世帯増など中食の将来に夢を持っていた。出来たての美味しさが一貫したテーマになっている。今期の設備投資43億2500万円(前期15億8300万円)の計画。10年振りのスケールで、外販事業の設備更新にスチームコンベクションオーブン(18)、回転式炒め機(4)、自動巻寿司機(51)など新調。テナント事業の総合惣菜店舗イーズマートやイーションが注目を集めている。外販事業でも品質管理基準を上げるため設備を見直し、「ファミデリカ」(昨年10月)に続く新たな納品に備えていた。
2017年3月期(非連結)は、売上高、900億8200万円(0.1%増)、営業利益31億7200万円(3.4%増)、経常利益32億5000万円(2.2%増)、純利益19億200万円(4.7%増)と従来通り。配当60円(期末30円)を据え置く予定。事業が東北にも拡大。秋田工場を譲り受けた。スピードアップする一方、旧ユニーグループとファミリーマートのギャップ解消に時間。実力で乗り越える構えだ。今年も上昇運。ファミマが2017、18年調整運になり追い風とみられる。デパート、スーパー、駅ビル・駅ナカのテナント事業と、コンビニ、鉄道系コンビニ、宅配関連の外販事業が両輪。前途を左右する大事な年を迎えた。デッドヒートにもポジションを確保。反転待ちだ。
カネ美食品(2669・JQ)

>>購読ご案内