3Qから様変わり 武蔵精密 1月17日 (2017.01.16)
パワーユニット向上
ホンダの復活とハイHDが寄与
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武蔵精密工業(7220)は反転。3Qから様変わり。1月10日、ほぼ10年振り3530円の高値をつけた。主取引先ホンダ(7267)の復活、ドイツのハイHD連結寄与、米大統領選を境に円安に振れるなど追い風。
期待先行の反動を加味しても、踊り場を抜け出す公算が大きい。昨年8月10日上方修正が伝えられ、 計画を上回る折り返し。2月14日3Q発表の予定。4Q追い込み、ムサシ・グローバル・ビジョン2020(連結売上高2000億円、営業利益10%)の足場を固める。何より、ホンダが「フィット」とタカタ(7312)のエアバックリコール費用をすべて引き当て北米と中国で健闘。熊本地震から完全復旧したのが大きい。昨年2月マイナス金利に入り、欧州でも同様のケースからハイHDを紹介され、大塚社長(51)が全工場を回り半年足らずで決めたという大型買収も強力。取得価額440億円にハイグループのリファイナンス等しめて550億円たちまち調達。3Qから連結範囲に顔を出し、売上高290億円、営業利益5億円上乗せした。2015年の連結売上高640億円(営業利益39億円)に今後中国工場の伸びを勘案すると来期以降高い伸び。欧州の売上高構成が3%から30%超に高まり全体のバランス好転。製品がモジュール化され、高付加価値のユニットに生まれ変わったのも事実だ。デファレンシャル・プラネタリィアッセンブリーと呼ばれるもので、前回述べたホンダのパワーユニット向上に貢献している。そこへ、米新大統領誕生に伴う円安株高、長期金利上昇などインフレの神風。半年や1年世界に影響が及ぶと考えられ慎重な印象を受けた。2014年1月立ち上げたメキシコ工場を巡航速度、ブラジル工場黒字転換(中間期営業損失3億6000万円)が喫緊の課題と述べたばかり。ともに改善しており、国内も黒字が定着した。2018年(創業80周年)から28年(同90周年)にかけてひと山ふた山ある。前回述べたように、昨年2月上昇運に入り2度目の大きなビジネスチャンスを迎えた。
2017年3月期(連結)は、売上高1750億円(6.4%増)、営業利益110億円(17.9%減)、経常利益83億円(27.5%減)、純利益53億円(22.2%減)に見直した。配当52円(期末26円)の予定。設備投資137億円(前期93億円)という。3Q堅調で再び上方修正含み。来期も心配ない。ホンダの巻き返し本格化。ハイグループ寄与が見込まれるためだ。パワーユニット装備も進みそうで、久方振りいいポジションにつけた。ひところ女性管理職が話題になり後輩が続いている。社長が今年も運気好調でステークホルダー(利害関係者)の支持拡大によるもの。前期末外資系の株主が38.2%を占め、浮動玉僅か3.9%に過ぎない。理想買いで10年振りの高値に進み、早ければ3Q発表を受けて現実買い。ハイグループと連携次第で大化けも考えられる。