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企業レポート

3Q好調巻き返し 中京医薬品 12月28日 (2016.12.27)

再びグループ一丸に 
お客と苦楽を分かち合う生業に共感
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中京医薬品(4558・JQ)は巻き返し。需要期の3Q好調。あく抜けした。従来の健康と幸福増進のほか人づくりに手ごたえ。グループ一本化によるものだ。
11月1日から中部経済新聞に連日掲載された山田社長の「マイウェイ」が反響。中でも東日本大震災に見舞われた岩手中京医薬品(36話)のくだりに感動した。一部引用する。震災発生から数日後の早朝、自宅のチャイムを鳴らす人がいる。釜石に本拠を置く岩手中京医薬品の竹端社長が着のみ着のまま、疲れ果てた生気のない表情で突っ立っていた。同社長は九死に一生を得た生々しい状況を報告した。事務所の2階から津波が押し寄せるのを目のあたりに、近所の高齢者の手を引き懸命に高台まで逃げ延びた。従業員が1人不明。全員被災。5つの営業所も全半壊。「もう再起不能、事業をやめたい」と訴えた。私はうなずきながら「あきらめないでほしい」と励まし、「今できることを実行し従業員の雇用を守ってほしい。資金の心配しなくていい」と共に戦う決意を固めた。屈指のグループ企業で見事に復活したが、当時自分の縁故より釜石から真っ先に山田社長(71)の懐に飛び込んだ「人となり」が決め手。お客と苦楽を分かち合う生業(なりわい)が共感を呼んだ。同社の「思うままに」(社長コラム)が隠れたベストセラーといわれ、出版されるのもわかる。旧聞だが、厚労省が2016年3月31日に発表した14年度配置医薬品の生産204億5900万円(9.6%減)。1997年をピークに17年連続減少し当時の3割程度。世界に例を見ない300有余年の伝統を受け継ぐ日本独自のもので、新薬事法公布から10年を数え踊り場を迎えた。大手の富士薬品、常磐薬品、廣貫堂に同社が指折り。同社は前期開設した上越・久留米営業所のほか新潟県に長岡と新たな拠点が具体化。ピーク87に対し69まで戻す見込みだ。若手や女性が伸びているのも事実で、1997年8月の上場から20年を経て再びグループ一丸となったのが何より。自己株23万株を従業員向け株式給付信託導入により活性化。配置薬の開発に意欲を燃やす一方、期初「エアーマスク ポケットスプレー」を発売。「クイックシールド エアーマスク」や「同 ポケット」が大手量販店やドラッグストアで定番化。本格的な出荷が始まった。売水事業も前半3億3300万円(3.3%増)で折り返し後半追い込み。採算ベースに乗ってきた。営業のハンディ端末を一新し回転が利いている。地元の亀崎潮干祭の山車行事がユネスコ無形文化遺産に登録され、2017年10月、5年に1度「はんだ山車まつり」(第8回)がやってくる。社長が実行委員会の会長に決まり、グループ挙げて後押し。何が何でもやらざるを得ない。
2017年3月期(非連結)は、売上高61億8800万円(1.0%増)、営業利益1億5300万円(52.9%増)、経常利益1億6300万円(38.9%増)、純利益5200万円(59.5%増)と従来通り。配当5円(期末2.5円)を据え置く予定。設備投資6300万円(前期3億7000万円)の計画。2016年から上昇運。社長も17年運気好調。はんだ山車まつり抜きに語れない。配置、卸、売水もろとも追って区間新が見込まれる。

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