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企業レポート

財政緩和追い風に ヨシタケ 12月20日 (2016.12.19)

YWTの商圏が拡大
案件持ち越し好転すれば上方修正
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ヨシタケ(6488・JQ)は連結堅調。計画を若干下回る折り返し。通期も見直し2円増配を取り下げた。10月28日の下方修正によるもので、期ずれに円高、米国持分法適用会社の引当金計上が主因。
11月8日米大統領選を境に株高、長期金利上昇、ドル高も顕著で好転すれば上方修正。3、4Q悪くないし持ち越した案件が来期寄与。前回述べた増収増益の見通しに変わりない。全体の半分を占める連結子会社YWT(ヨシタケ・ワークス・タイランド)の生産軌道入り。日系企業向け拡販、採算の改善が見込まれるためだ。チョンブリ県の工場内に常駐していた数人の営業担当者を首都バンコクに集約し山田社長(47)が陣頭指揮。バルブをはじめの配管設計、生産設備の提案など提案。これまで、バンコク南東部に偏っていた商圏が拡大している。10月に在位70年の前国王(享年88年)が亡くなり、1年後服喪明けに新たな手掛かり。来年も運気好調で早めの対応がうかがえる。日本のほか北米や中国、アセアンなど海外向けをこなす本格的な新拠点。2011~12年アユタヤ県の旧拠点がタイ洪水で操業停止に追いこまれ、約25億円投入してインフラを一新しリバウンドが始まったばかり。前期旧拠点の減損1億7800万円計上した矢先これから大きい。中国や米国の大規模なインフラ投資や日本の東京五輪、リニア、大阪万博など財政緩和の流れが追い風。やがて日経平均も1989年の最高値3万8915円が視野に入りそうだ。コア製品が減圧弁。改良に改良を重ねたもので、空調や暖房設備など蒸気配管用が主力。汎用性があるため工場やビル、病院等幅広く使われ鉱工業生産にリンク。最近エコデザインで環境もアピールしている。2005年の愛・地球博で大量に使われ、その後連結売上高60億円台が定着した。グループのヨシタケ・アームストロングや宏洋サンテック、カワキ計測工業など確り。2024年(設立80年)にかけて70億円大台替えが見込まれる。一つひとつ丁寧につくり込んでいるのが特徴で、前期約12億円の海外売上高が中長期国内とイーブンになるやよし。13年10月立ち上げたYWTが本格的に稼働し仕込みが一巡した。
2017年3月期(連結)は、売上高64億円(0.6%増)、営業利益5億5000万円(13.6%増)、経常利益6億1000万円(12.6%減)、純利益4億2000万円(16.5%減)に見直した。期末24円配当を据え置く予定。設備投資2億円(前期2億4900万円)の計画。案件があるだけにトランプ旋風の打ち返しにも冷静な構え。6月24日の株主総会で会長が取締役相談役になり、すっかり代替わりしている。これから国内、海外ともに10年スパンで更新需要が見込まれ、いいポジションにつけた。バルブは成熟産業で新規参入がないといわれ、今後CO2排出量をはじめ環境対応が決め手。AIやIoTなどビッグデータやディープラーニングの影響も注目される。

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