仕込み本格的 大宝運輸 12月7日 (2016.12.06)
拠点再構築に取り組む
物流フェスティバルと文化祭大受け
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大宝運輸(9040)は踊り場。一進一退のまま年末年始入り。10月31日上方修正した。燃料費が思ったほど上がらず、3Q 以降も続くとみているためだ。
全日本トラック協会の景況認識に見合うもので、10~12月期△34.3(7~9月期△30.1)に後退。米大統領選後の円安株高、長期金利上昇、OPEC減産合意など消化難。急ピッチの反動も考えられ、年末年始波乱含み。拠点再構築に取り組んでいる。2013年11月名南支店(名古屋市港区)を口火に14年1月春日井・黒川支店統合。第3、第4の懸案が具体化する見込み。AIやロボット、IoTなど市場の変化に伴う荷主の事情と構造的な人手不足が主因。同社は食品が6割(飲料2割)といわれ低温事業も不可欠という。ひところライバルだったトランコム(9058)が物流情報サービス事業で5割以上稼ぎ、再投資やM&Aに回しているのが印象的。物流もアマゾンが極限に挑戦しており、経済合理性のほか安心・安全に対する信頼が決め手。同社は40年以上続いた教育立社、門戸開放、自力実行の本番を迎える。創業100年(2020年)まで4年。10年スパンで次の100年を見越した仕込みが始まりそうだ。6月の物流フェスティバルで草の根から突き上げるような向上心が爆発。11月の文化祭(第32回)では、やる気全開‼自分と仲間の未来をひらこうをスローガンに犬山支店が4連覇。大貫監督が考案し、今まで見たことがない一人二役に息を呑む展開。衣装を半分半分つくり、横向きから180度回転して別人に早変わり。セリフも別人のやりとりで大受けした。2位金山支店、3位本社も接戦で続き並み外れたもの。運動会が物理的な理由で休止したものの32年の積み重ね。プロ顔負けの定評があり、将来役員や支店長クラスがきらっと光る。前回、6年前立ち上げた新体制第2幕と述べた。中規模の物流会社として自社の特徴を活かす市場を再構築。社員・協力会社員をはじめ、全てのステークホルダー(利害関係者)がいきいき働く職場をつくるという。本社をはじめ9支店活性化を目指すもので緒についたばかり。今期事故7件(目標10件)にとどまり労災なし。これから4年、20年振り(1996年10月上場)様変わりになりそうだ。
2017年3月期(非連結)は、売上高91億円(3.3%増)、営業利益3億8000万円(24.4%増)、経常利益4億円(21.6%増)、純利益2億円(60.3%減)に見直した。配当10円(期末5円)を据え置く予定。設備投資1億円(前期1億3000万円)の計画。踊り場が続くとみられる。来年も運気好調。周囲に支持者が広がり伸びるという。小笠原社長(48)も上々。一歩一歩富士の高嶺を目指すトレンドに入った。次の100年に向けて仕込み本格的。具体化が待たれる