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企業レポート

絶好のポジション 太陽化学 11月29日 (2016.11.28)

ピーク更新続く見通し 
収益に影響与えるマイクロ波導入 
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太陽化学(2902)は連結堅調。円高をしのぎ計画線の折り返し。通期ピーク更新が続く見通しだ。市場変化に対応、販売強化、品質管理の維持・強化など懸案6項目の取り組みによるもの。
着実に浸透している。2Q累計最高になった営業利益15億7600万円(3.8%増)が手掛かり。ニュートリション6億0800万円(5.1%増)、インターフェイスソリューション8億3700万円、(2.7%減)、アグリフード事業1億2700万円(63.6%増)そろって底堅い。為替差損4億1400万円計上し経常利益12億0200万円(19.5%減)だが、在庫29億円(前期末33億円)を勘案すると健全で引き締まった印象。5月25日に創立70周年を数え新たなステップに入った。6月24日の株主総会。出席者161人。質問なくいつもの通り。30分足らずで終わったという。前期の連結営業利益27億4600万円(20.0%増)、純利益20億0500万円(18.4%増)ともに最高。安定配当20円に特別配当12円(期末22円)と決まり次期続伸の見込み。誰が見ても文句なしだ。20億円投入しマイクロ波化学とショ糖エステル製造を目指す合弁会社(ティエムティニ資本金2億円)を折半で立ち上げ、今年11月稼働予定(昨年12月着工)が年内竣工・来春稼働に若干遅れる見通し。高品質・高純度の乳化剤を本格的に生産する。反応時間1/3~1/5、エネルギー消費量1/2~1/3、設備2/3~1/2といわれるマイクロ波技術を導入し、当初年約1000トンの予定。ハラル対応(イスラム合法)しており、東南アジア向け食品用乳化剤の市場拡大が見込まれる。一世紀以上変わっていない化学品の製造プロセスを一新するものだ。1952年に国内で初めて食品用乳化剤を開発して60有余年。バージョンアップを期待できる。さらに、製造業としてトヨタ生産方式を「経営の思想」と捉え、進化・発展を目指し取り組んでいるニュー・プロダクション・システムを導入。生産のほか機能・組織を流れでつなぐグループの脱皮を目指す。昨年から上昇運入り。長い上り坂に入った。山崎社長(61)も来年上昇運が続き追い風になる。機能性表示食品の「テア眠」と「サンフェノンEGCgカプセル」が子会社タイヨーラボのピックアップ商品という。
 2017年3月期(連結)は、売上高400億円(1.3%増)、営業利益30億円(9.2%増)、経常利益27億円(11.6%増)、純利益16億円(20.2%減)に見直した。円高を考慮したもので20円配当(中間10円)に戻す予定。設備投資13億円(前期10億円)の計画。来年1月米大統領就任、3月英国EU離脱、その後仏・独選挙など為替変動が予想されるものの吸収できる。衣食住のうち、食品が世界的な関心を集め、安心と安全、おいしさが不可欠になっているためだ。同社は大手メーカーの黒衣で重要な役割を担っている。マイクロ波導入が現実の収益に影響を与える来期から市場の評価も一変するはずだ。絶好のポジションにつけている。

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