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企業レポート

後半巻き返し エイケン 10月14日 (2016.10.13)

活気に包まれ増強決意 

次の半世紀に向けて仕込み本格化

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エイケン工業(7265)は堅調。後半巻き返し強含み。活気に包まれている。主力のフィルターが海外ほか国内の引き合いも強いためで、前回述べた第8工場具体化目前。2019年(50周年)に向け助走に入った。前期最高になった輸出(23億3700万円)の反動で前半落ち込んだものの3、4Q高水準。頭打ちの国内でも純正メーカーから引き合いが寄せられ増強を決意した模様。第7工場西2000㎡に相当し部分的に非効率な一貫生産を集約。塗装ラインを目玉に能力増と経済合理性を最上限詰め、東海地震を念頭にBCP(事業継続計画)対応の狙いもある。政府・日銀の財政金融政策に二の足を踏む企業が多い中で見上げたもの。国や地元に納税で貢献し、さらに雇用増をもたらすためだ。リーマンショック直後、第7工場着工に踏み切った早馬社長(59)の英断が布石。第8工場をこなすと能力想定3、4割増。これまでの売上高56億1700万円(1997年10月期)、純利益3億2800万円(98年同)もピーク更新が視野に入る。2月にヤマシンフィルタ(6240)と業務提携し、場合によると建機や産機のほか海外にも提携拡大が予想される。今後ドイツ銀や米大統領選、ポンド・人民元急落など波乱含みに違いないが、ピンチをチャンスと受け止めており、10億円規模の大型投資になりそうだ。一方、売上高3Q累計38億1900万円(3.1%減)、営業利益2億8800万円(6.5%減)が現状で、計画に対し進捗率72.0%、74.4%。4Q 活況で来期楽しみだ。ひところ燃料電池車やEV登場など内燃機関離れが懸念されたが、原油をはじめ一次産品の大幅な需給調整により情勢一変。むしろガソリン車が見直され、付加価値の高い大型車用フィルターや既存品と一線を画した高性能フィルター、割安なプレス部品が受けている。燃焼機器もマーケット縮小にかかわらず健闘。売上高全体の6.5%(3Q累計)に過ぎないが黒字を計上。既存製品の改善・改良によるものだ。目下、50周年にかけて次の半世紀を探る場面。欧米や中国、日本でもデフレが尾を引くとみられ、中長期の人材育成不可欠。来期新工場が稼働し業績が順調なら、優秀な人材も目を向けるはずだ。

2016年10月期(非連結)は、売上高53億円(横ばい)、営業利益3億8700万円(3.2%減)、経常利益4億0700万円(同)、純利益2億7200万円(5.2%減)の見通し。増益の公算もある。配当18円の予定。昨年から上昇運に入り追い風。社長も大器晩成型で右肩上がり。天が新工場を後押ししている。国や地元、従業員、オーナーなどステークホルダーを喜ばせているためだ。海外の東南アジアやロシアなど根強いユーザーにも一目置かれている。自動車をはじめ建機、農機、産機など各種フィルターエレメントで次の半世紀。来期に向けて仕込みが本格化する運びだ。

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