ホンダと連動 田中精密 11月9日 (2011.11.08)
次世代シフト鮮明に
4Qないし来期1Q急回復
田中精密工業(7218・JQ)は一進一退。震災につぐタイ洪水、円高のはざまでホンダと連動。前半計画を上回ったが、後半見通しがつかず、6月22日発表した通期予想のまま。3、4Q対応に追われそうだ。しかし、来期V字型回復とみられ、ホンダが2012年半ば米国に投入する予定の新アコードを手がかりに巻き返し。来年2月子会社が取得する米国ロッカーアーム製造設備60億円(5割増強)、同12月稼働見込みのインド子会社(資本金4億円相当)もポジティブな材料。国内の工場再編と勘案して次世代シフトを鮮明にしたことも事実。2012、13年調整運だが、ホンダが12年後半から上昇運だけに、むしろ3Qから4Qの仕込みがモノをいいそうだ。ちなみに、同社グループはホンダ向けが9割以上。ホンダの連結営業利益が前半751億円(81%減)となり、計画の500億円を上回ったものの、10月以降タイ洪水の影響が予想以上で見通しがつかず、通期予想の2700億円(52%減)を白紙に戻した経緯に沿ったもの。このうち、2輪車事業が新興国向けに好調で9%増収の折り返し。同社グループも国内とタイで2輪車部品が増加している。
2Q連結累計(連結)は、21%減収、営業損失6億400万円、経常損失6億1900万円、純損4億2800万円の折り返し。震災の影響で大幅減産になったのが、寸断したサプライチェーンが急ピッチに復旧。一連の合理化と次世代対応にも取り組んだ。12年3月期(連結)は、売上高368億9000万円(3%減)、営業利益8億6000万円(60%減)、経常利益7億3000万円(67%減)、純益3億6000万円(16%減)据え置き。配当10円(中間4円)の予定。ホンダの情報によると、タイのアユタヤ県ロジャナ工業団地にある四輪車工場は10月4日から浸水し排水に12月中旬までかかる見通し。このため、4Qまで本格的な生産再開困難。部品メーカーも被災し供給不足の状態。日本の2工場で残業カットのほか、アジア、北米でも生産調整の動き。通期予想を白紙撤回したが、4Qないし来期1Qにも記録的な急回復となりそうだ。ホンダのタイ4輪車生産キャパ年間24万台(世界7%)規模。一方、新アコードは燃費性能を大幅に改善したパワートレイン搭載。同一車格でトップ級の低燃費が売り物という。同社グループも3Q一進一退だが、4Qにも様変わりになりそうだ。