従来と一線を画す展開
既存店を立て直し巻き返し図る
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藤久(9966)は出直し。反転後伸び悩み、前期2度下方修正。あく抜けが急務になった。直前期伸びたキャラクター商品の反動が尾を引きリード役不在。既存店の立て直しを最重要課題に巻き返しを図っているためだ。前期、店舗運営部門の組織を改編し本部と店舗(前期末496)の連携を密にしたほか、出店やソーイングスクール導入を抑え在庫調整待ったなし。「和」や「ディズニー」など根強い支持のある商品群中心に商品開発を進めるなど従来と一線を画す展開に入った。ミクロで前半調整後半反転の構え。経理面から改革に着手し、トータル5億円規模の在庫(前期56億円)削減が目安。今期も減損40店舗前後(同36店舗)の模様で、インショップ(62%)が核となるロードサイドより多い。一巡すると反転が見ものだ。家計調査(2人以上の世帯)によると、2014年3月の消費増税に伴う駆け込みをピークに消費支出の前年割れが続き、8月30日発表された7月の1世帯当たり27万8067円(前年同月比△0.5%)。東日本大震災直後29万1900万円を下回っている。年平均で見ても、2013年1.0%を境に14年△2.9%、15年△2.3%と落ち込んだまま。9月8日発表のGDP推移にもうかがえる。4~6月期の改定値0.2%。年換算0.7%にとどまり、政府見通し1.7%に程遠い。08年のリーマンショック以来、編み物やソーイングする人が増えているといわれ、コーヒーやスイーツと並びひところニットカフェが話題になった。一方、趣味や手づくりを加味した手芸の市場規模4000億円を仮説にゲーム業界4500億円と肩を並べる指摘もあり、アナログな業界だけにwebビジネスの将来性を持ち上げる向きもある。しかし、推定1500億円市場が実体。大手2社が市場をリード。ともにオーナーの郷里が愛知県、天下取りで共通している。1990年のバブル崩壊から27年。デフレからインフレに差しかかる踊り場。可処分所得が増えると家庭で手芸に興味を持つ人も広がり、レシピ次第でマーケットの拡大が見込まれるという。手縫いの浴衣やセーターが文化として受け継がれる時代といえなくもない。
2017年6月期(非連結)は、売上高221億0100万円(1.4%増)、営業利益3億4500万円(26.8%増)、経常利益3億5800万円(27.3%増)、純利益2400万円(前期5500万円損失)の見通し。配当20円(中間10円)の予定。7月の既存店98.4%に対し8月94.0%。同全社計98.8%に対し95.8%と続落。2Qも調整の見込み。しかし、3Q入園・入学を控え需要期。4Q追い込みも考えられ反転。在庫調整進展と既存店底上げが焦点になった。来期も取り組む意向で徹底している。今年から3年調整運。後藤社長(59)も同運で仕込みに打ってつけ。2022年(創業70年)から10年2度目のビジネスチャンス。ビーズ全盛期(03年6月期純利益16億円)を思い出した。