今にも走り出す気配
新体制固め軌道修正に余念ない
東洋電機(6655)は反転持ち越し。1Q出遅れ2Q伸び悩み3、4Q巻き返し。後半にかかってきた。事実、1Q 連結5.6%減収、18.5%営業増益。変圧器(27.6%増収)を除き軒並み減収。前期急伸した搬送制御装置の反動もあり原価改善で切り返した。8月15日発表された4~6月実質GDP0.04%(年率0.2%)を裏づけるもので。2016年政府見通し年率1.7%成長を大幅に下回る見通し。同社は、生産設備支援業種。4~6月設備投資△0.4%(1~3月△0.7%)が響いた。昨年8月中国経済下振れが尾を引き、6月英国EU離脱。さらに、11月米国大統領選・利上げ観測など依然波乱含み。政府の景気対策や日銀の「総括的な検証」にも疑心暗鬼な踊り場。中長期の視野が欠かせない。昨年創業70周年を迎え、1980年日中友好を口火に2004年設立した南京の連結子会社、同年タイ・バンコクに立ち上げた同子会社が生命線。100周年を左右する。今後10年スパンで海外売上高が20、30%(前期10.3%)占めるとみられ、現在経営管理本部と海外事業本部の役員が仕込みに奔走している。国内シェア70%といわれるエレベータセンサのトップメーカー。世界の6割を占める中国のエレベータ市場で力をつけた。タイ子会社が年内、来年1月にも黒字転換する見込みで、アセアン、中東を加味した展開に入る。国内より海外の方が市場が大きいためだ。エレベータセンサを目玉に機器、エンジニアリング、変圧器3つの部門を5つの関係子会社と連携してグループの将来を判断する場面。2012年6月、松尾社長(43)中心に新体制が発足し2年で事業再構築。基盤インフラを固め15~16年軌道修正に余念がない。前回述べた経営企画本部を強化し、自前主義から顧客本位にソリューション活動を後押ししている。一方、AIやロボット、IoTなどコラボで対応。異業種交流にも踏み込んだ。必要ならM&Aも選択肢のひとつだ。南シナ海や尖閣諸島を巡る日中対立に支障なし。従業員の過不足なし。時が来れば今にも走り出す気配に見えた。
2017年3月期(連結)は、売上高96億2300万円(10.4%増)、営業利益3億8300万円(17.9%増)、経常利益4億4400万円(6.3%増)、純利益2億9000万円(14.6%減)に修正なし。配当12円(中間6円)を据え置く予定。10月1日をもって2株を1株に併合。単元株を1000株から100株に変更する。設備投資2億0600万円(前期1億1700万円)の計画。搬送制御装置を除き軒並み増収を見込んでおり、海外制御装置関連が9億2200万円(31.8%増)の見込み。反転を持ち越し、マグマがたまっている。今年2月から上昇運。社長は昨年上昇に入り来年、再来年運気好調。努力家で初代運、サービス精神旺盛だけに部下のパワーが成功に不可欠という。