採算一段と好転 MARUWA 9月6日 (2016.09.05)
創業来純利益を更新
8月からYAMAGIWAが貢献
MARUWA(5344)は堅調。採算が一段と好転。16年振り連結最高益更新の見通しだ。前期4月28日の上方修正、今期7月28日の1Q発表によるもの。主力のセラミック部品が省エネ・環境関連、半導体製造装置向けに続伸。前期黒字転換した照明機器も公共関連中心に予想以上。2012年連結対象になったYAMAGIWAののれん償却が7月で終わり、8月から収益に貢献する見込み。このため、連続2円増配を表明。2Q予定通りという。3年前から減収覚悟で不採算品を縮小し、高付加価値品に経営資源を集中。体質が一変した。セラミック部品においては、小型・高性能化に伴い放熱・ノイズ対策に傾注。先行するマーケットニーズにこたえている。例えば、スマホ不振により1~3月4年振り受注減と円高に見舞われた電子部品。4~6月も苦戦し自動車、機械と並び減速が伝えられる中、同社のセラミック部品1Q連結26.1%営業増益。照明機器の営業赤字も8400万円(前期2億2100万円)に改善し注目された。YAMAGIWAにグループのセラミッ技術を応用したLEDモジュールを採用。東京五輪(2020年)、リニア開業(27年)を視野に化ける公算もある。自動車の無人運転実用化が進むと、電子部品の需要も相当伸びるといわれビジネスチャンス。チップ抵抗器用アルミナ基板で世界シェア4割の同社、LED照明事業でも頭角を現しそうだ。同社は2000年ロンドン、 シンガポール証券取引所に上場している。今期の連結売上高によると、312億円の計画。リーマンショックを受けて154億円(2010年3月期)に落ち込んだ当時から僅か6年目。営業、経常、純利益そろってピーク更新の軌道にありドラマチックだ。9月に日銀の「総括的な検証」、10月イタリア国民投票、11月米大統領選など波乱含み。にもかかわらず再び上昇運。2023年(設立50年)が企業100年の折り返し地点だ。
2017年3月期(連結)は、売上高312億円(2.0%増)、営業利益43億5000万円(14.1%増)、経常利益44億5000万円(20.2%増)、純利益28億5000万円(24.6%増)の見通し。配当40円(中間20円)の予定。設備投資30億円(前期同)の計画。土岐工場増強のほか各事業の強化を展開。8月2日3915円まで戻した。順調にいくと、2014年3月1日の高値4480円を抜いてくる