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企業レポート

後半持ち直す見込み 日東工業 8月30日 (2016.08.29)

反動吸収し高水準 

短期間猛烈に飛ばしスピード調整

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日東工業(6651)は増収減益。1Q連結1.7%増収、68.4%営業減益と出遅れ。2Q計画線とみられ、後半持ち直す見込みだ。前期から太陽光発電関連中心に直近2期最高益の反動が表面化。今期も政府助成金が終了した充電スタンドやEMS(蓄電池システム用分電盤など)関連が伸び悩み、シンガポール子会社ののれん代償却(年2億8000万円)を勘案して足踏み。正念場を迎えた。しかし、質量ともに高水準。反動を吸収している。2013年サンテレホン、南海電設を口火に15年シンガポールの配電盤メーカー・ギャザーゲイツグループを子会社に迎え様変わり。半世紀続いた標準品ビジネスから脱皮。カスタムや案件ビジネスを踏まえ、大手ユーザー向けサプライヤービジネスに挑戦。ソリューションカンパニーに生まれ変わる見通し。事実、2010年3月期の連結売上高464億円が1098億円(15年3月期)。同営業赤字15億円から138億円の黒字(同)を計上し56円配当。短期間で猛烈に飛ばしスピード調整に追い込まれた。グローバル化に慎重で中国よりタイ、シンガポールで緒についた印象。現在1%に満たない海外売上高を中長期10%。昨年、連結売上高2000億円を打ち出した。近い将来AIやロボット、IoTの時代を迎え工場、防災・BCP対策、再生可能エネルギー、データーセンター、通信ネットワーク、社会インフラ、住宅、店舗・ビル・マンション。さらに、webツールの案内までビジネスチャンス。暮らしから産業まで様々なインフラをグループで支えるという。一例が5月に伝えられた米パンドウィット日本支社との提携。相性がよく意外性もある。データセンターやサーバールームのネットワークインフラを構築。システムラックや配線部材を共同開発し販売ルートに乗せる仕組みだ。同社の高耐荷重・高耐震性能とパンドウィットが世界中で導入しているラック回りのオプションパーツをマッチング。顧客のネットワークに適したラックを提供する。もう一つが3月菊川工場で着工した試験研究棟。延べ20億円投入し風速60㍍、降雨300㍉、東日本大震災と並ぶ震度7強を目安にシステムラックの性能向上に踏み切った。8月2日、3年振りに主力ユーザー約1500名を名古屋に招き、7月東京、大阪に次いで主力製品をアピール。感震リレー付や自動電源切り替え機能付ホーム分電盤など防災・防犯に関心が集まった。標準分電盤トップグループ、キャビネット標準品トップ。ワンデイデリバリーに定評がある。

2017年3月期(連結)は、売上高1130億円(4.2%増)、営業利益96億円(14.8%減)、経常利益95億円(13.1%減)、純利益66億円(10.8%減)の見通し。配当50円(中間25円)の予定。設備投資85億7000万円(前期29億4400万円)の計画。30~40億円菊川のキャビネットが占め、試験研究棟と並び次世代の仕込みに入った。来年も上昇運。佐々木社長(60)は2度目の頂点に相当し、2018年(設立70周年)が節目。リーマンショック10年にあたり、正体がわかるといわれる。同社の場合、28年(80周年)、38年(90周年)にリターンが見込まれ、これから2年正念場。1年が10年に匹敵する仕込みの好機だ。6月17日、JECA FAIR 2016製品コンクールで協約形プラグイン小型動力分電盤が経済産業大臣賞を受賞。業界最小(最大30%)、最軽量(同)、使用材料削減により環境負荷低減も評価された。

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