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企業レポート

テーマと格闘   NDS   6月14日 (2016.06.13)

選ばれるのが先決に 

顧客の問題解決しないと進めない

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NDS(1956)は踊り場。次世代通信激変を巡る転機。1Qニュートラルに戻した。前期連結約40億円受注を持ち越し、3月25日上方修正した反動。今期も後半の追い込みが注目される。昨年、NTT(9432)民営化30年。国内の通信関連ビジネスが22兆円(約4倍)に拡大する一方、今年AI やフィンテック、IoT元年といわれ通信革命が次世代をリード。これまで電話とインターネット回線の卸NTT、携帯3グループ寡占も穏やかでない。6月に入りソフトバンク(9984)の「1兆円調達」が様々な憶測を呼んでいる。現に、NTTが2020年代をめどに全国の固定電話をIPに切り替える旨表明。交換機を維持できなくなった。このため、今後ICT(情報通信技術)が決め手になる。そこで同社の売上高予想(連結)を見ると、総合エンジニアリング555億円(2%減)のうち、NTT307億円(11%減)、モバイル42億円(14%減)に対して道路関連設備や官公庁、電気関連工事など総合設備206億円(23%増)に光明。ICTソリューション180億円(4%増)、住宅不動産15億円(同)も堅調な見通し。総合エンジニアリング事業の原価改善、ICTソリューション事業拡大によるものだ。6月6~7日の「世界ICTサミット」(日経・総務省主催)が手掛かり。「あらゆる業界で創造的破壊。それも業界の外から起きている」(ノキア会長)という。一方、「世界各地できめ細かいデータ管理が求められ、グローバルでシームレスなICTのインフラを提供する」(NTTコミュニケーションズ社長)とつかみどころがない。「クラウドが事業環境を一変し、10年前考えられないビジネスモデルが生まれている」(米エクイニクスCEO)も印象的。試行錯誤に明け暮れているのが現状だ。同社の場合、2014年から24年(設立70周年)にかけて次世代の仕込みに相当し、10年がかりのビジネスチャンス。踏ん張りどころだ。選択肢が顧客に移っているとすれば、選ばれるのが先決。例え自動運転をモノにしても実需なしに成り立たない。その点、伊勢志摩サミットや名古屋駅スーパーターミナル構想、東京五輪、リニア開業(2027年)など新たな手掛かり。現に、名古屋のミッドランド開業(2006年)で先鞭をつけた。

2017年3月期(連結)は、売上高750億円(0.8%増)、営業利益23億円(25.0%減)、経常利益26億円(21.8%減)、純利益15億円(22.5%減)と慎重な見通し。配当10円(中間5円)を据え置く予定。6月24日の株主総会で10月1日から1000株を100株に単元株式数変更。9月30日現在の株主に10株を1株に併合する旨付議。承認可決待ちだ。NTTと同社、それに伊藤社長(63)も同運。今年から来年にかけて上昇トレンド。今秋諦めかけていたことも実現するというご宣託。あらゆるものをネットで結ぶIoT、ビッグデータの普及をどうビジネスに取り組むか。ご時世にふさわしいテーマと格闘している。“チャレンジー2018”を通して総合エンジニアリング、ICTソリューション(連結子会社)にも活路。顧客の問題を解決しないと前に進めない。

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