証券ビュー

企業レポート

反転の足場固め確り 中京医薬品 5月24日 (2016.05.23)

主力の小売回復傾向 

アクア事業災害優先供給で伸びる

企業HPご案内   前回の企業レポート

中京医薬品(4558・JQ)は確り。反転の足場を固めた。4月27日の上方修正によるもので、前期3Q切り返し今期1Q計画線。卸売(前期18.6%増収)と売水事業(同7.9%増収)がリード。

主力の小売(同1.9%減収)も担当エリア変更と新規2営業所にメド。回復傾向が見えた。1~3月来年の営業ハンディ端末一新に取り組み、新年度全国67営業所が一斉に飛び出した印象。健康と幸福のほか人づくりに取り組む構え。人づくりが「まだ本物じゃない」(山田社長)という。事実、過渡期。リーマンショック、金融危機、原油安などグローバル化の反動。国内でも東日本大震災、熊本地震など50年、100年に一度の天災がしばしばで当事者能力を問われる場面。同社は九州に熊本、人吉を含めの16の営業拠点。前期小売で18.8%、全体の売り上げでも14.3%を占める重点地域。拠点こそ被災を免れたものの顧客がつかまった。このため、久留米までアクアマジックのミネラル水を届け救援活動開始。東日本大震災で東北のグル―プ企業(5)を支援した経験が参考になった。売水事業は2014年5月地元半田市を皮切りに災害時優先供給する協定を結び、鈴鹿市や近隣の阿久比町、名古屋市などに拡大。例年10月伊勢神宮に奉納している。かれこれ16年の実績。昨年4月立ち上げた鈴鹿プラントが月1万本(12ℓ)から間もなく1万5000本。今夏2万本レベルになる見込みだ。出遅れたが、鈴鹿山系の水質がいいだけに本社のツーウエイに対しワンウエイの次世代基地。110~20年後全国展開を視野に本格稼働を目指している。売水事業全体で今期1割増(前期6億円強)が目安。15億円構想を実現する運びだ。コア事業のヘルス・ケア(配置)が底入れ。消費者庁の表示指導を潔く受け止め、ライフ・ケア(生活流通)が一皮むけた。除菌消臭剤関連の「クイックシールド エアーマスク」、「同 ポケット」など大手量販店やドラッグなどの定番商品になっている。10年以上前、水素水(旧アルカリイオン水=電解還元水)で先駆。大手の伊藤園が4月から参入し「次の次」も注目される。卸売と売水事業が回り出すと反転確実だ。4月28日発表された家計調査(2人以上の世帯)によると、3月の実質消費支出5.3%減(2月1.2%増)。4月以降熊本地震の影響や円高株安も尾を引くとみられ踏ん張りどころ。今秋、地元「亀崎潮干祭の山車巡行」がユネスコの無形文化遺産に登録される見込みで、同社も復活機運がみなぎっている。1~2Q堅調とみられ3Q 上方修正を期待したい。

2017年3月期(非連結)は、売上高61億8800万円(1.0%増)、営業利益1億5300万円(52.9%増)、経常利益1億6300万円(38.9%増)、純利益5200万円(59.5%増)の見通し。配当5円(中間2.5円)を据え置く予定。今年2月上昇運入り。山田社長(71)も運気が好転。ともに追い風になった。新規の取り組みが実を結ぶという。

>>購読ご案内