期待もてる後半 福島印刷 4月13日 (2016.04.12)
DPサービス高い伸び
業界で売上高3期連続ピーク更新
福島印刷(7870)は尻上がり。ブレークスルーに現実み。売上高3期連続ピーク更新の見通し。DP(データプリント)サービスの高い伸びによるもので、IPDP(事務通知)6億3900万円(42.4%増)、DMDP(販促関連)17億1700万円(12.1%増)の折り返し。従来のBF(帳票類)5億7800万円(11.5%減)、商業印刷1億7700万円(41.5%増)も善戦している。2Q累計12.7%増収、438%営業増益が物語る通り。脱皮しきりだ。当初から通期大幅減益を見込み、前期計上した年金資産評価益の反動と計画を上回る設備投資の償却負担が主因。2018年(創業90年)にかけてビジネスチャンス。利益もピーク(2001年8月期純利益3億3300万円)更新の見通し。マイナンバー制度の不備、マイナス金利移行に伴う郵政上場の顚末など逆風も事実。しかし、電子政府やセキュリティ―投資、ICTサービスの推進不可欠。昨年3月北陸新幹線開通以来金沢が受けているほか、追って敦賀延伸や京阪ルートに結ばれ商圏拡大。近い将来、売上高100億円を視野に「走り」がうかがえる。2月に廣済堂(7868)と共同でDM・BOD(ブックオンデマンドサービス)を目指し、埼玉のサテライト工場稼働が試金石。08年から消費者の嗜好に合わせたワンツーワンドキュメントの自動生産、バリアブル印刷(可変データを使いページの一枚一枚内容を差し替え印刷する方式)を組み合わせたソリューション「パックサービス」を提供した実績が生きてくる。BPO(ビジネス・プロセス・アウトソーシング)と呼ばれるもので、企業の運営業務を外部委託する情報処理事業。個人情報を扱い管理が厳しいため信頼関係なしに機能しない。首都圏の一角に中継拠点が稼働し、3年後DM・BOD計10億円を目安に活動を始めた。提携先も手詰まりでともに正念場。コストとリスク改善が狙いだ。足もと受注好調で後半期待をもてる。
2016年8月期(非連結)は、売上高62億円(2.9%増)、営業利益2億1700万円(47.2%減)、経常利益2億2300万円(46.2%減)、純利益7100万円(74.1%減)と当初通り。配当は10円(期末5円)に戻す予定。設備投資10億円(計画9億7300万円)の見込み。受け売りだが、印刷業界の市場規模が2015年5兆6000億円(1.1%減)といわれ、通販や風俗、自動車整備と同等の水準。このうち、凸版(7911)と大日本印刷(7912)大手2社で過半を占め、残り約3万社が競合しパイ縮小。22年4兆円という試算もある。91年8兆9000億円をピークに44.9%の水準。同社は例外。今年後半社運好調。下畠社長(60)も同運で今、来期楽しみ。100年企業の登龍門になりそうだ。