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企業レポート

中食9兆円市場 カネ美 4月5日 (2016.04.04)

踊り場をこなし続伸 

ファミマとユニーG統合が試金石

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カネ美食品(2669・JQ)は続伸。踊り場をこなしピーク更新の構え。9月に向けてカウントダウンに入った。ユニー・ファミリーマートHD発足に伴うもので、昨年11月2日の上方修正と3月14日の5円増配発表が手掛かり。顔色が変わってきた。月次売上高によると、2月までテナント事業累計104.3%(既存店103.8%)、外販事業同106.5%(同106.8%)と好調。1~3月期のGDPが2期連続マイナス、2月の実質消費支出(2人以上の世帯)1.2%増からも健闘している。前回述べたが、重点的に定番商品を見直しカテゴリーごと核となる商品育成に取り組んでいるためだ。4Q 一巡も道理だが、前期同様今期も次期の助走。テナント事業で昨年11月から食材や製法にこだわったビーフシチューやハンバーグなどkanemi PREMIUMを投入。改良・改善に明け暮れる一方、外販事業でも炊飯設備を順次最新の機器に切り換える事に踏み切った。3Q累計テナント事業の営業利益11億6000万円(0.2%増)、外販事業同13億3100万円(76.2%増)。全体で30.2%営業増益。計画に対し81.8%の進捗率。4Q上振れを期待したい。テナント事業で直火炒め炒飯(税込429円)が印象に残った。専用の機械で直火、大きめのチャーシューと香味油が決め手。安全でおいしい食の基本を追求したものだ。外販事業では衛生管理の徹底と異物混入防止。フードディフェンス(製造確認カメラの増設と入れ替え)強化がリアル。昨年3月の食中毒事件解決をきっかけに様変わりだ。中食(なかしょく)が9兆円市場といわれ、団塊の世代リタイア、高齢化、女性の就業化、単身世帯の増加など市場拡大が見込まれるだけにビジネスチャンス。人口動態によると、2010年1億2800万人をピークに25年まで700万人以上減少。今後生鮮より弁当が伸びるという。同社の場合、スーパーとコンビニを軸足に百貨店や駅ナカ・駅ビル、鉄道系コンビニや宅配など販路拡大。5年以内にグループの国内売上高5兆円以上といわれるファミマとユニーグループ統合が試金石。それも、大株主の伊藤忠(8001)にとって同系列の取引先だけにプラスばかりといい切れない。前回述べた商品のパワーアップが不可欠。9月以降、地元愛知県を目玉にコンビニ大手3社の死闘が始まる。3社でシェア9割にのぼり全国の縮図だ。

2016年3月期(非連結)は、売上高889億2200万円(3.9%増)、営業利益30億4700万円(14.4%増)、経常利益31億3800万円(13.7%増)、純利益18億3200万円(4.6%増)と昨年11月の修正発表通り。配当60円(期末32.50円)の予定。設備投資推定14億7000万円(前期8億6500万円)。外販事業の更新と増強11億8700万円が目をひく。品質の改良・改善が数量効果をもたらした。サークルK サンクスやJR東日本で顕著。人手不足が悩みの種という。社運によると、今年後半急上昇。三輪社長(46)も2月から上昇運入り。ともに追い風だ。今期に限って前半が後半を先取り。売上高1000億円が見えてきた。純利益(ピーク05年3月期19億8100万円)もついてくる。

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