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企業レポート

直営既存店が健闘 セリア 3月25日 (2016.03.24)

来期1割成長目指す

福山に西日本の物流拠点を開設

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セリア(2782・JQ)は好調。3Q累計9.9%増収、10.4%営業増益。4Qも計画を上回りそうだ。2月まで直営既存店累計102.7%(前期99.9%)。3月推定103%(同89.9%)とみられ、出店純増124(計画130)を固め2ケタ増収増益も考えられる。直営新店とFC(退店12)が予想を下回り、後半直営既存店の健闘が目立つ。ちなみに、3Q累計の営業利益率9.18%(前期9.14%)。日用雑貨中心の小売業でダントツだ。前回述べたようにこれといった目玉がなく、クリスマスや年明け、バレンタインなどハレの日の提案が地道にヒット。DIYやキャラクター商品のフィードバックもある。仮説と検証に基くPOSデータの解析が決め手。精度が上がり採算も逐一改善してきた。延べ180を数える取引先を踏まえ、主要50社と年2度膝詰めで情報交換し、毎月商品を500前後入れ替えるパートナーシップによるもの。日本製シフト、改良・改善を重ねひところ2万点を1万8000点に絞った商品で顧客のニーズにこたえマッチングのたまもの。戦後70年、原油暴落、中国リスク、マイナス金利など逆回転に見舞われ、政策や学説、自らの体験さえ使い物にならない過渡期。1320店舗(3Q末直営1258、FC62)を窓口に全国から集められたPOSデータがリアルタイム・本音の情報。品質と在庫回転率の向上に貢献している。JCSI(日本版顧客満足度指数)の調査によると、2015年度顧客満足度、知覚価値でも4年連続第1位。2007年「カラーザデイズ」1号店オープンから尻上がり。来期、過半(上期594)を占める見通し。2月に福山通運(9075)の倉庫を借り、広島県福山市に西日本の物流拠点を開設。愛知県小牧市と三重県四日市市に次ぐもので、これまで3分の1にとどまっていた西日本のシェアを大幅に引き上げる。中四国が業界トップ「ダイソー」の縄張りに相当しデッドヒートが予想される。同社の場合、中四国100店舗足らず。地元の岐阜県大垣市5、岐阜市で7、愛知県の名古屋市でも20店舗に過ぎない。海外はおろか、国内の伸び代が手に余るほど。知ってか知らずか、株価が2013年富士山(3776m)、16年にキリマンジャロ(5895m)を越え、直近エレベスト(8844m)に迫る勢い。3月14日に地元で時価総額トップだった西濃運輸(9076=2560億円)を抜き2600億円を突破した。来期出店150を見込み1割成長を目指すという。リーマンショック直後、売上高683億9400万円、営業利益15億5100万円(2008年3月期)から「カラーザデイズ」投入後に売上高倍増ペース。利益もうなぎのぼりだ。9割女性で男性が用心棒といわれ、2014年6月から2代目に若返り、年出店200を目指し10年リードする旨明らかにした。むしろ、今後全国展開が本格化する。

2016年3月期(非連結)は、売上高1292億円(9.2%増)、営業利益110億円(4.5%増)、経常利益同(3.3%増)、純利益72億円(7.1%増)に見直した。5円増配し期末30円配当の予定。設備投資50億円(前期45億円)の計画。来期60億円という。3月1日発表された総務省の家計調査によると、2人以上の世帯で1月の実質消費支出28万0973円(3.1%減)。昨年10月2.4%減、11月2.9%減、12月4.4%減。2013年1.0%増、14年2.9%減、15年2.3%減を見ても同社の非凡振りがわかる。昨年2月から本格的な上昇運。一方、河合社長(48)が調整運でクール。10年先を見ている印象。17年(設立30年)にかけてブレークスルーを期待できる。

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