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企業レポート

3、4Q確り 三谷産業 2月24日 (2016.02.23)

化学品関連がリード 

将来を左右するベトナム関連事業

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三谷産業(8285)は堅調。3、4Q確り。期末追い込みに入った。昨年10月15日修正発表の延長上。計画通りという。投資回収期に相当する化学品関連(3Q連結累計営業利益2.5倍)がリード。逆回転のエネルギー(同37.4%営業増益)、樹脂・エレクトロニクス関連(同11.0%営業増益)が続き、住宅設備機器・空調設備工事・情報システム関連の落ち込みを吸収している。連結売上高の半分を占める化学品が機能性素材・ファインケミカル製品・無機材料など受委託製造拡大とジェネリック医薬品向け原薬の開発により稼ぎ頭。一方、1994年立ち上げたベトナム関連事業が2013年から伸び盛り。今期連結89億4100万円(18.3%増)の計画で100億円大台乗せ射程圏。今後かなりリターンが見込まれるのも支援材料だ。前期の設備投資21億1400万円(直前期43億円)からもメーカー機能が評価された。今期以降償却負担が軽くなり採算の好転が見込まれる。原油をはじめ資源デフレ、マイナス金利、円高株安など局面が一変しただけに適応が望まれる。受け売りだが、ベトナム人口約9000万人。10年後1億人といわれ、平均年齢29.2歳(日本46.1歳)。ASEANが発展して2016年からAEC(アジア経済共同体)スタート。いずれ加入が見込まれるTPPで最も恩恵を受けるのがベトナムといわれる。昨年7月住宅法が改正され外国人の不動産所有を解禁。同9月、銀行など金融を除く上場会社の出資上限撤廃。100%外資系進出が可能になり劇的な変化をもたらした。1986年のドイモイ(刷新)から30年。1995年米国と国交を再開し21年数えるが、1994年から南北に8社グループ企業を立ち上げた同社に先見の明があった。昨年2月ABCD社ハイズン工場増築完了(車載用樹脂成形品製造)、同3月ADMS社新工場竣工(同富士通子会社と合弁)がステップのあかし。前回述べた日医工(4541)と合弁のアクティブファーマ富山八尾工場然り。東京町田工場と2拠点体制で生産移管を進め17年度延べ18品目。前期35品目54億円が3年後トータル80億円とお伝えしたばかり。思い切った設備投資で前途に活路をひらいた。

2016年3月期(連結)は、売上高715億円(6.1%増)、営業利益18億円(30.6%増)、経常利益20億5000万円(7.0%増)、純利益12億3000万円(24.8%減)の見通し。配当6円(期末3円)を据え置く予定。設備投資9億9000万円の計画。来期10億円レベルという。昨年後半から調整運だけにステップの足場を固める場面。メーカー機能が高まり品質確保が課題という。部長、課長クラスで女性が活躍しているほか、65歳再雇用にも実績。これから3年国内よし。ベトナム関連事業が同社の将来を左右するところにきた。

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