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企業レポート

さらに続伸の見通し  OSG 2月12日 (2016.02.10)

超硬の仕込み本格化 

自動車のほか航空機関連伸びる

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OSG(6136)は強気。2期連続ピーク更新し、さらに続伸の見通し。自動車のほか航空機関連の伸びが見込まれ、連結売上高1500億円、営業利益300億円(2020年11月期)を表明している。顧客の生産効率の改善や耐久性向上のニーズから超硬工具がリードする見込み。OSGは材料から表面処理まで一貫して手掛けている。佐賀県武雄市に子会社を通じて30億円投入し材料の新工場を建設、今年8月に稼働予定。超硬の主力工場、愛知県豊川市にある大池工場は今年も10億円の投資で2割の能増。設備投資計画125億円のうち40億円が国内超硬関連への投資。2020年11月期には超硬エンドミル1.7倍、超硬ドリル2倍(2014年11月比)へ能増予定で計画ライン上。原油をはじめ資源安、米利上げ、中国経済の落ち込みなど踊り場に違いないが、OSGは中長期超硬増強にシフト。中部地区は国内航空機・部品生産の半分を占める航空宇宙産業の集積地。半世紀振りYS-11に次ぎMRJが初飛行に成功し10年スパンのビジネスチャンス。これまでの部品生産に代わり完成機の市場拡大が見込まれる。MRJの部品点数が95万点といわれ、ボーイングやエアバスに追いつき追い越すきっかけをつかんだ。トヨタ(7203)も中部国際空港を足場に航空機産業参入を目指しているといわれポスト自動車の本命。OSGの連結売上高のうち航空機産業向けは推定10%、将来的には20~25%を目指す。航空機向け工具はハイエンドで付加価値が高いため、業績だけでなく技術開発部門のレベルアップにつながるのも魅力。前回述べたフラッグシップ戦略も見もの。2年前コストパフォーマンスの高さをコンセプトにAブランド製品をラインナップ。新年度はこれに大幅なラインナップ拡大を予定。前期の営業キャッシュフロー約200億円で今後のM&Aにも期待したい。昨年12月シンガポールのアストロスケール社(宇宙開発ベンチャー)にスポンサー参画し、2016~17年に宇宙ごみを計測・回収する衛星を打ち上げる予定で成功すると面白い。この間、OSGの運気好調。石川社長(60)も同運で追い風と考えられる。原油や鉄鉱石、タングステンなど資源安も手掛かり、仕入れ材料費10%超で原価改善もばかにならない。昨年末定年を65歳まで延長、対象者は100人。

2016年11月期(連結)は、売上高1170億円(4.5%増)、営業利益230億円(6.5%増)、経常利益(6.9%増)、純利益140億円(11.8%増)の見通し。配当は前期比4円増配し50円(中間22円)の予定。米国と中国がスローダウンし、足もと不安材料に事欠かないが、超硬に活路を見出し仕込み本格化。メキシコでは日系部品メーカーの進出に伴い増加した需要に対応するため新工場を建設しているほか、前期レアル安を追い風に輸出事業で黒字転換してブラジルだって特筆もの。今期も日本、米州、欧州、アジア全地域で営業増益を目指す。再研磨・コーティングなど保守メンテナスにも注力している。

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