巻き返し始まる サーラ住宅 1月19日 (2016.01.18)
加速する変化に呼応
持ち越した反動減の隙間埋める
サーラ住宅(1405)は反転。巻き返す見通し。1Q締まっている。前期持ち越した反動減の隙間を埋めるもので、半年から1年ミスマッチ解消が主因。新体制2期目で連結増収増益の見込みだ。昨年7月、請負に投入したハイエンドな「ベステア」が目玉。さらに開口部の断熱性能を高め、全館調湿気システムによるエアマネジメント。1年中、「極上という名の空気と暮らす」環境を実現した。それに、スペックや間取り、価格などシーズとニーズのマッチングに取り組み成約増を目指すという。前回述べたように、加速する顧客、市場、政策変化に呼応するもので未知数が多いためだ。2016年4月電力小売り、17年に都市ガスも自由化され、サーラグループ中核3社で仕切っていた棲み分けが流動化。今、来期の実績がモノをいう。前期1、2Q出遅れただけに倍返しの印象。主力の請負でいうと、前期180(計画230)に落ち込んだ受注が今期210、来期270程度に跳ね上がるイメージ。2019年(設立50周年)が事業100年の折り返しとみられる。分譲が比較的堅調で、名古屋の南区71区画よし。四日市60、安城31区画好調。半田60区画これから。1991年に外断熱・二重通気工法を振り出しに四半世紀。施工累計5000棟を数え本格的な普及段階に入った。現在、東海4県19事業拠点を通じて愛知県1.3%、地元豊橋市で4.7%のシェア。「ほの国」といわれる豊橋商圏で圧倒的に強い。連結売上高の半分弱を占める住宅部資材加工・販売が全国トップクラス(拠点14)。東海道こだわりの家づくりの会を運営し、国策(地域型住宅グリーン化事業)に沿ったもの。外販比率約70%で健闘している。「スイートコート」や「スマートハウス」など都市型分譲住宅、お泊りハウス、リフォーム、リノベーションなど実績づくり。戦後70年、流れがどんどん変わり始めた。住宅金融支援機構によると、2016年度の住宅着工95万4000戸(15年度93万戸)、17年度90万戸割れの見通し。昨年7月、野村総研が18年後空き家2000万戸超を発表。年明け、米利上げをはじめ原油安、人民元安・円高の影響が前兆ともいえる。
2016年10月期(連結)は、売上高305億円(4.3%増)、営業利益7億3000万円(27.7%増)、経常利益7億5000万円(23.5%増)、純利益4億2000万円(37.6%増)の見通し。配当25円(中間10円)を据え置く予定。17年4月の消費再増税も前回同様の措置がとられ、16年9月末まで駆け込みが予想されるが、間がないだけにリフォーム中心。反動もさまざまと考えられる。同社は今年から上昇運本格化。山口社長(57)も運気好調で3年続く。第12次中期計画を2年目で見直し巻き返しが始まった。「ほの国」は独自の文化圏を持ち、地産地消のポジションを形成。同社も一皮むけようとしている。