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企業レポート

中期計画あと一歩 ノリタケ 1月13日 (2016.01.12)

上方修正で折り返し 

世界3強をうかがう工業用砥石

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ノリタケ(5331)は底堅い。連結上方修正で折り返し、通期予想据え置き。第9次中期計画大詰めを迎えた。3Q一進一退とみられ4Q追い込み。年明け波乱含みで緊迫している。前半順調であり同計画射程圏。主力の工業機材(2Q通期累計営業利益2.4倍)、セラミック・マテリアル(同10.6%営業増益)、エンジニアリング(同1億4000万円黒字転換)、食器(同2億5000万円営業損失)。営業利益トータル33.3%上振れによるもの。通期、同計画の30億円にあと一歩だ。中国、新興国経済の落ち込みは気掛かり。前期1ドル106.5円、上期120.5円の平均レートで若干追い風。前回述べたように、2014年3月本社工場を三好事業所に集約移転し生産性が向上したほか、同年12月持分法適用の日本レヂボン(旧5389)が連結子会社になり、工業砥石で世界3強をうかがう存在。さらに、創業110年の生産活動にピリオドを打ち、本社工場跡地再開発も時間の問題。一昨年から解体作業が始まり既に終了。計画によると、三菱商事、イオンモール、三菱地所レジデンスが2016~18年にかけて商業・住宅施設を立ち上げる運びだ。「ノリタケの森」と調和する新しいコンセプトの施設になる模様。もっとも、ルーツの食器が黒字転換しないとブランドイメージが上がらない。09年3月期から7期連続営業損失を計上し今期も苦戦。ちまたのインバウンド、日本ブームが反転の口火になりそうだ。和柄が受けているという。2014年から上昇運入り。種村会長(67)と小倉社長(65)が2015~16年絶好調で同運だけに期待をもてる。

2016年3月期(連結)は、売上高1100億円(11.1%増)、営業利益28億円(27.8%増)、経常利益38億円(12.1%増)、純利益32億円(55.4%増)の見通し。固定資産売却益14億1800万円を計上する。配当6円(期末3円)の予定。設備投資45億円(前期同)、償却40億円(同37億円)の計画。海外生産拠点整備と本社工場移転関連で3期約130億円の設備投資枠を上回りそうだ。旧聞だが、日本レヂボンの洞口社長(60)がノリタケグループ入りを歓迎。昨年4月から常務執行役員となり海外向け相乗効果に意欲的だ。一方、懸案の食器。上質な日用食器を投入し、昨年から食空間を提案する活動「ダイヤモンド デイズ」を展開。デパート、雑貨店、webなど販路拡大。新興国も開拓するという。それに、女性の活躍推進に定評。法令を上回る制度を取り入れて子育てと両立を支援。食器の復活に女性が欠かせないようだ。2024年(創業120年)にかけて次世代の仕込みたけなわ。10年スパンで回っている。15~16年が前途を左右しそうだ。

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