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企業レポート

堅調な折り返し ヨシタケ 12月22日 (2015.12.21)

新工場の稼働本格化 

今、来期締まると先が楽しみ

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 ヨシタケ(6488・JQ)は尻上がり。国内、東南アジアそろって堅調な折り返し。後半予想以上とみられる。前回述べた新工場の稼働本格化。連結子会社YWT(ヨシタケ・ワークス・タイランド)中心に一段と生産性改善が見込まれるためだ。山田社長(46)が現地入りして3年。効率化、工数低減、コスト削減など浸透。タイを足場にアセアン、インド、中東など販路拡大に道筋をつけた。前期YWTの旧工場・同用地減損1億7800万円計上。売却を決めたのが健全な印象。マーケットに精通した営業活動、海外調達、製品のユニット化など一皮むける場面。延べ25億円投入し4年振り洪水前と様変わりだ。2015年12月31日、AEC(アセアン経済共同体)が発足し、総人口6億、GDP1兆8000億ドルの単一市場が生まれるだけにタイムリー。半面、米利上げ、原油安、中国経済の落ち込みなど勘案し期待と不安に包まれている。日系4500社を数えるAECの中核タイ。政変と経済の混乱が伝えられる一方、比較的落ち着いているのも事実。一例が自動車販売台数。2010年度80万台が12年度140万台に急増。これが実力と思い込んだ反動で現在巡航速度という。12月1日財務省が発表した法人企業統計によると、7~9月期全産業の設備投資10兆4937億円(11.2%増)。4~6月期5.6%増から増加している。7~9月期実質GDP改定値プラス成長によるもので、経団連の榊原会長も15年度71兆6000億円の設備投資が18年度81兆7000億円に10兆円余り増えると述べた。同社は減圧弁で知られ蒸気に強い。直近、トヨタ(7203)関連の設備投資やホテル、商業施設、名古屋駅前再開発など支援材料。復興需要から五輪、リニア、伊勢志摩サミットなど特需も手掛かり。2016~17年受注拡大が見込まれる。昨年後半から上昇運。山田社長も同運で16年後半から顕著になるという。

2016年3月期(連結)は、売上高67億5000万円(5.9%増)、営業利益4億8000万円(372.5%増)、経常利益7億5000万円(29.6%増)、純利益5億1000万円(81.0%増)に修正なし。3円増配し期末24円(配当性向30%)の予定。設備投資2億円弱(前期2億1300万円)の計画。いいポジションにつけた。連結子会社のカワキ計測工業、宏洋サンテックとヨシタケ・アームストロングなど健闘している。日本で金属バルブの使われたのが文久3年(1863年)で紡績用ボイラー輸入によるもの。明治18年(1885年)水道やガス事業がスタートしバルブの製造が始まった。受け売りだが、バルブは流体を通し止めたり制御する心臓の働きに似ている。同社は国内のほか、タイに「海外本社」を持ち、今期以降ピーク更新を視野。目を離せなくなってきた。2024年(80周年)にかけてビジネスチャンス。今、来期締まると先が楽しみだ。

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