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企業レポート

3Q強含み 木曽路 12月29日 (2015.12.28)

失地回復にあと一歩 

食品安全と衛生管理の二枚看板

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木曽路(8160)はあく抜け。予想以上の折り返し。失地回復にあと一歩だ。8月6日、メニュー不正表示に伴う略式命令(罰金)を受け納付。9月以降、既存店が前年実績を上回っているためだ。発覚からまる1年。世間と社内、役員と従業員の溝も埋まったほか、再発防止を期して10月12日食品安全管理室を設置。衛生管理と二枚看板で食の安心・安全に取り組み始めた。年末年始需要期を迎え3Q強含み。4Q追い込みに意欲。来期相当な出店増が見込まれ巻き返す見通し。「じゃんじゃん亭」(焼肉)がリード役。2013年7月から全店(2Q 末9)食べ放題。併行してタッチパネルを採用し2Q累計39.6%増収。1996年開業し20年で開花した。下期2店舗、来期出店増に弾みがつきそうだ。10月27日オープンした新業態「しゃぶしゃぶの旬菜 穂の里」も人気。鈴のれんから業態変更したもので、みかわ豚と黒毛和牛をメインに寿司、天ぷら、逸品料理など好きなだけ食べ放題。相当アタリがきている模様だ。主力の「木曽路」(2Q 累計2.5%減収)、「素材屋」(同7.2%減収)。「とりかく」(同2.5%減収)、「鈴のれん」(同17.3%減収)、「ウノ」(同7.3%減収)など揃って反転が見込まれる。総務省が12月25日発表した家計調査(2人以上の世帯)によると、11月の1世帯あたり消費支出27万3268円で3ヵ月連続マイナス。物価変動を除き実質前年同月比2.9%下回った。このため、同省は前月まで横ばいから弱い動きがみられるに改めた。同日発表の日本フードサービス協会外食産業市場動向調査を見ても、11月の全体売上高99.5%で5ヵ月振り前年割れ。しかし、ファミリーレストランが健闘し100.6%。このうち、和風104.7%、焼肉105.8%が目立つ。同社の場合、全店101.35%(既存店100.46%)。前期落ち込んだだけに物足りないが、年末年始書き入れ時でフル稼働に入っている。1月29日3Q発表の予定。予想以上とみられる。

2016年3月期(非連結)は、売上高440億円(1.3%増)、営業利益2億円(14.5%減)、経常利益2億5500万円、純損失2億6000万円の見通し。従来通りだ。配当14円(期末7円)の予定。設備投資12億1800万円(計画18億2000万円)に見直した。新設の「木曽路」1、「じゃんじゃん亭」2に見どころ。来期延べ20億円に拡大する見込みだ。2015年後半から調整運。3年続くだけに前期全面改装した「瓦町店」(旗艦店)が注目される。16年が民芸風しゃぶしゃぶ「木曽路」開業50年にあたるためだ。吉江会長(68)がしゃぶしゃぶに日本料理をつけてひきたてたように、全119店知恵をしぼり、めいめい改良・改善すると受ける。創業者の供養、最高純利益(07年3月期16億2000万円)更新につながる。3Q発表をきっかけにリバウンドが始まりそうだ。

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