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企業レポート

区間新の折り返し 名工建設 12月8日 (2015.12.07)

11JPタワー竣工 

リニア開業までカウントダウン

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名工建設(1869)は攻勢。単体、連結区間新の折り返し。はち切れそうだ。11月4日二度目の修正発表によるもので、工事採算の改善が主因。資材や労務費など高止まりする中で選別受注、収益管理強化、経費節減など積み重ね。建築の赤字が大幅に減ったという。1、2Q連結受注高312億円(14.4%減)。予想を4.2%上回り通期810億円の計画。現在、概ね新幹線大規模改修工事300億円(3年)を消化しており、今後脱線逸脱防止対策と共に追加工事が見込まれ強含み。ビジネスチャンスの最中にある。2015年11月、旧本社跡地に日本郵便と共同事業の「JPタワー名古屋」(196m)が計画通り竣工。13年7月着工したもので、12月にオフィス、テナント入居が始まり17年4月全面開業の予定。同タワー内の商業施設「KITTE名古屋」16年6月という。今期、共同所有に伴う旧本社再開発52億4000万円の初期費用を計上。前期計上した不動産売却益(6億3000万円)がなくなるため一服するが、17年4月「JRタワー」(220m)オープンにかけて10年後リニア品川~名古屋駅開業の地ならし。品川駅で準備工事を請け負い、本線関連受注も見込まれるだけに願ってもないポジション。安全の確保と信頼の向上をはじめ経営目標を四つ掲げ、第16次中期計画の重大な労働災害・鉄道運転事故ゼロ、受注高・売上高800億円以上、経常利益率3%(2018年3月期)を目安に全力を挙げる構えだ。1937年東洋一の駅舎といわれた旧国鉄名古屋駅が完成し、2027年世界初のリニア開業まで90年。これから12年カウントダウンに追われ、同社もゼネコンの一角で当初からレギュラーポジションを担うだけに生涯一度のチャンス。やらざるを得ない。ちなみに、昨年後半から上昇運。来年本格化する見込み。野田社長(66)も来年から盛運続きで楽しみだ。最近、採用拡大、人材育成、女性登用など熱心で活気がうかがえる。耐震補強のスミック工法も今期10億円レベル。新芽が次々顔を出している。現在、土木中心に手持ち工事目一杯の状態。来期以降ピーク更新が見込まれ、採算の改善が最大の課題という。

2016年3月期(連結)は、売上高880億円(2.3%増)従来通り。当初にひきかえ営業利益27億円(12.5%増)、経常利益28億円(12.0%増)、純利益17億円(13.3%増)に見直した。配当11円(期末5.5円)を据え置く予定。2000年名古屋駅にJRタワーズが開業し16年。同社はいち早くタワーズに本社を移転し、今回旧本社再開発に踏み切り第2幕が上がった。この上、リニアが開業すると第3幕。モノにしてこそ、戦時中鉄道省の輸送力確保のため名古屋鉄道局管内指定請負127社が集まり鉄道工事専門会社を立ち上げた趣旨にこたえるもの。天の時、地の利、人の和を結集する時がきた。

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