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企業レポート

最高益更新し高水準 日東工業 1月6日 (2016.01.05)

「見える化」に意欲 

海外のビジネス新たなステップ

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日東工業(6651)は踊り場。連結減収減益の折り返し。一進一退になった。昨年10月30日の下方修正によるもので、太陽光発電設備の導入一巡と設備投資の伸び悩みが主因。半面、充電スタンドや高圧受電設備が堅調。直近3期急伸しただけにスピード調整とみられる。1965年以来、標準品ビジネスに傾注。大量生産に伴うコスト削減、短納期、業界指折りの品質を実現した。現在、配電盤市場で標準分電盤トップグループ。キャビネット市場で標準品トップ。国内8工場と物流拠点として従来の静岡県菊川市に加え、昨年10月から広島(日立物流の倉庫借り受け)に開設しワンデイデリバリーを維持。広島設置推進に当たり、双方女性社員がプロジェクトリーダーを務めている。延べ1万品目製品を保管し、中国や四国、九州、沖縄などをカバー。2014年から高圧受電設備の長距離輸送をトラックから鉄道に切り替えモーダルシフト。多治見~北海道のほか多治見~仙台。昨年10月菊川~広島も鉄道になりCO₂や輸送費削減、PRでも話題になった。昨年9月、手薄といわれる海外でシンガポールの配電盤メーカー・ギャザーゲイツグループを29億円で子会社に迎えたのが新たなステップ。日本企業の東南アジア市場開拓に呼応するもので、ギャザーゲイツの売上高約42億円(2014年12月期)を足場にルートを通じてJIS(日本規格)のついた同社の配電盤を拡販。現在タイと中国で海外売上高1%未満から近い将来100億円レベルに引き上げる構えだ。国内ではEMS関連が有力。電力自由化のほか東京五輪、リニアなど大手ユーザー向けサプライヤービジネスにつながるとみられ、家庭の消費電力量「見える化」に意欲。家庭内の機器制御により消費電力が減ると予想以上の需要が見込まれる。昨年12月、震度5以上の揺れを感知すると二段階で電気を遮断するホーム分電盤を発売。従来3分後に主幹ブレーカーを遮断する基本機能に加え、電熱器具などをすぐに通電ストップすることが可能になった。一方、EV向け充電スタンドが前期(約9億円)を上回るまでに成長しトップレベル。国の補助金減で一服するが、09年7月発表から市場拡大に取り組み成果が出始めた。2015、16年運気好調。佐々木社長(59)も再び上昇運で4Q追い込みが注目される。

2016年3月期(連結)は、売上高1085億円(1.2%減)、営業利益119億円(14.1%減)、経常利益116億円(18.0%減)、純利益75億円(1.5%増)に見直した。配当性向30%を基準に57円配当(期末22円)の予定。設備投資37億2000万円(前期34億円)、償却29億円(同26億2100万円)の計画。直近2期連続最高益を更新し高水準。昨年後半原油安、中国経済の落ち込み、米国利上げの影響など新年に持ち越し。踏ん張りどころだ。2018年(70周年)にかけて企業100年の仕込み。大手ユーザー向けサプライヤービジネス、ソリューションカンパニーを視野にもう一皮むける。

 

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