精気戻り回復軌道 大宝運輸 11月18日 (2015.11.17)
玄人はだしの文化祭
教育立社受け継がれリーダー輩出
大宝運輸(9040)は堅調。前期後半から差し引きプラス。回復軌道に乗った。10月29日の修正発表によるもので、運賃値戻しに燃料費値下がりが後押し。これまで苦戦していた支店も逐一黒字転換し精気が戻った。一例が10月4日の第31回文化祭。やり切ったといわれ「グランプリから11位までほとんど差がなかった」(小笠原社長)という。何より一体感が清々しい。「あるがまま」で3年連続グランプリの犬山支店。舞台芸術賞、同演技賞、シナリオ賞。さらにグリーンリボン賞まで受賞し玄人はだし。組織の問題提起や課題が織り込まれ、今のままでは駄目。自分たちで変えていこうとのメッセージが共感を呼んだ。30年以上続いた教育立社の取り組みが和合塾打ち切りで一服したが、その後も受け継がれ各支店に続々リーダー輩出。前期後半から反転につながった。6月14日の第20回物流フェスティバル然り。座学、実技ともに従来と一線を画し当事者能力を問う研修。リーダーの存在が大きい。全日本トラック協会によると、4~6月期軽油下落にかかわらず高止まり。ドライバー不足により景況感の判断指標が▲34.6(前回▲28.3)に後退した。このうち、大規模事業者は荷主と直取引が多く同指標▲13.5(前回▲35.4)に改善。中小の下請・孫請と格差が拡大している。16日、7~9月期GDP(年率▲0.8%)が発表されたが、トラック業界の景況感トータル横ばい。10月7日明らかになった9月運賃指数117(前年同)が最高。求車件数14.6%増に対し成約率13.2%にとどまり車両不足が続いている。同社の場合、3Q需要期に突入し4Q 追い込み。数量・単価横ばいを見込み、支店レベルで収益改善の足場を固めた。前回述べた大口顧客の流通南北分離に伴う落ち込み吸収。採算の確保が課題だ。乗り切るとブレークスルー。2020年(創業100年)を目安に、次の100年の仕込み本格化。創業者の遺徳をしのぶもので、先手必勝とみられる。来年、運気好調。社長も上昇運だけに新たな材料が予想される。
2016年3月期(非連結)は、売上高91億円(1.7%増)、営業利益2億9000万円(97.9%増)、経常利益3億円(82.7%増)、純利益4億8000万円の見通し。売上高を除き見直した。配当10円(中間5円)を据え置く予定。設備投資1億5000万円(前期1億7300万円)の計画。2年止まっていた車両更新を20台規模(約5%)で再開し拡大。リタイア再雇用を含めドライバー不足解消に乗り出した。これまで事故12件(前期22件)。6月に死亡事故があり安全委員会の動き活発。世の中に様々なルールがあるが、一番大切なルールが命を守ること。一段と引き締まっている。8月19日に480円まであり7年振りリーマンショック前の水準に戻した。3、4Q が肝腎。来期も必死でやるという。