踊り場で健闘 ダイセキ 10月27日 (2015.10.26)
外部環境が様変わり
前途を左右する足もとの3年
ダイセキ(9793)は連結堅調。純利益を除き計画を上回る折り返し。踊り場で健闘している。柱社長(54)中心に新体制が稼働して半年余り。順風に見えるものの、外部環境が様変わり。1年で半値以下になった原油をはじめ資源安によるもので、単体がリサイクル燃料値下がりを受けて8.5%営業減益。直近、前年比ざっと20%安。25%まで織り込んだ矢先、3Q底入れの見込みだ。3大都市圏で中部の廃油回収が落ち込み、トヨタ(7203)減産の影響とみられる。このため、大口のほか小口取引先を開拓し通期102万トン(前期97万トン)が目安。顧客口座6000(前期末5826)大台乗せも考えられる。スタンドやディーラーなど関西で始めた小口の廃油回収ルートが3年目に入り首都圏でも拡大。現在月740リットルが期末800〜900ペース。不況期にシェアを伸ばしている。これまで約40年円高・原油高の末逆回転。当分デフレ基調とみられ、大口より小口取引が生命線。リーマンショック直後、九州地区の回復が早かったという。今年後半から3年調整運だけにじっくり仕込むところだ。半面、連結子会社の環境ソリューション(1712)が様変わり。2Q連結累計80.9%増収、102.8%営業増益で折り返した。ピークを大幅に更新しひところの1年分。関東で受注した大型案件処理が1.2Qに繰り上がり、7月2日と8月11日上方修正している。東日本大震災をきっかけに息を吹き返し、東京五輪前後まで特需が見込まれるため、兵站補強が喫緊の課題という。廃石膏ボードリサイクル、バイオディーゼル燃料、PCBコンサルティング事業などこれからだ。来年、再来年も上昇運だけにグループをリードしそうだ。システム機工は前半出遅れ。後半巻き返し通期売上高28億円(計画25億円)の見込み。石油元売りのほかタンク洗浄需要に手ごたえを感じている。それに、MCRが5月から新工場本格稼働。インゴッド(再生鉛)のほか遮蔽板の需要増を視野に製品の付加価値も魅力。今、来期償却負担が峠を越し2018年2月期黒字転換の計画だ。通期売上高34億4700万円を目指している。4月に発表した中期計画、ローリングで連結売上高535億円、営業利益96億円(18年2月期)に変わりない。前回述べた首都圏南の新工場用地取得も懸案で、条件にマッチするまで待つという。当分巡航速度が似合っている。
2016年2月期(連結)は、売上高472億円(3.1%増)、営業利益77億8000万円(6.5%増)、経常利益78億6000万円(5.6%増)、純利益43億2000万円(7.0%増)の見通し。配当24円(中間12円)を据え置く予定。設備投資26億8500万円(前期42億3900万円)の計画。いずれにしても、18年2月期が当面のターゲット。外部環境の変化に拍車がかかるとみられ、巡航速度を確保するともう一皮むける。95年の株式公開から20年。グループの人口ピラミッドが矯正され、課長クラスの活躍が目立ち始めた。11月に創業70周年を数え、80、90,100周年に駒を進める。中期計画に盛った足もとの3年が前途を左右する。