前期後半が潮目 アイケイ 10月20日 (2015.10.19)
1Q連結26.6%増収
メーカーベンダーに転換し回り出す
アイケイ(2722・JQ)は好調。1Q連結26.6%増収。4期振りに営業黒字転換した。昨年9月、6年半振りTVショッピングを再開し反転。主力の生協・一般ルートが2ケタの高い伸び。2012年(創業30周年)を境に従来の通販からメーカーベンダー(製造と卸の一体化)に転換し結果が出始めた。5月29日、長野新社長(45)を発表。8月20日名実とも新体制に入り2ヵ月。専務営業統括から昇格しただけに、飯田会長(60)と阿吽の呼吸で回り出した。会長が実行しているように、毎朝30分購読する日経を広げ仕事についてじっくり考える思考回路30年が架け橋。3年たつとしない社員に比べ明らかに差がつくという。人材育成を促すもので、2年目を迎えた「おもてなし課」を6人から7人に増員。新卒持ち回りで経産省主催の「おもてなし経営企業選」に挑戦。自分で考え行動するベンチャー精神を託している。月次売上高を見ると、6月114.2%、7月114.1%、8月129.5%、9月106.0%が個別の推移。メーカーベンダー事業が「美容と健康」をキーワードにPB商品を開発。1Q重点販売対象を雑貨・食品それぞれ30アイテムまで絞りファンの期待にこたえた。2013年6月立ち上げたLB(PB化粧品)が年商4億円レベルに達し、化粧品市場で健闘している。現状の2割から順次国産化比率を上げるという。新体制になり人材育成、輸出入、PRなどメリハリがついた。社長は年3回TVショッピング用商材視察に欧米を訪問。メーカーベンダーの重責を担っている。プライムダイレクトが100%連結子会社になりTVショッピングの窓口になった。同社は営業黒字であり、SKINFOOD事業(前期営業赤字5700万円)、ITソリューション事業(同7200万円)も黒字転換に意欲。前期後半、潮目を迎えたことは間違いない。webサイトで中国から引き合いが増えているほか、インバウンドも大阪の店舗で感触をつかんだ。伊藤忠食品とのコラボにあたりがきている。来年、調整運明け。会長と社長が前半先取りしただけに後半の仕込みがモノをいいそうだ。
2016年5月期(連結)は、売上高143億円(14.6%増)、営業利益2億1000万円(3.3倍)、経常利益2億3000万円(3.4倍)、純利益1億2000万円(前期損失4900万円)の見通し。配当は期末18円を据え置く予定。年明け上方修正も考えられる。来年から2022年(創業40周年)まで長い上り坂。2027年品川~名古屋リニア開業を控え、名古屋駅周辺の不動産価値が上昇傾向のなか、この間投資回収期にあたり相当なリターンが見込まれる。創業30年を過ぎてもベンチャー精神、挑戦するエネルギーがよりどころだ。