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企業レポート

中味が決め手 岡谷鋼機 10月14日 (2015.10.13)

航空機ビジネス追い風

連結売上高1兆円のエネルギー

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岡谷鋼機(7485)は踊り場。2期連続連結純利益最高で折り返し転機。正念場を迎えた。後半、鉄鉱石や石炭など原料安に伴う単価引き下げの影響が避けられないためだ。8月に決着した鉄鋼大手とトヨタ(7203)の鋼板引き下げトン6000円がきっかけ。今年4〜9月に相当し、来年2月10〜3月が決まる見込み。米利上げ、中国経済の落ち込み、VW排ガス不正事件、スクラップ安など逆風だけに中味が決め手。にわかに悪化すると考えにくい。顧客を通じて間接的にVWと取引があるという。中期計画__<<_Gih-15>>(ジー・ダッシュ・フィフティーン)の2011〜15最終年度。連結売上高1兆円を除き、すでに_純利益100億円(前期124億円)、海外取引比率30%(同32.6%)を実現。来年3月、創業350周年を踏まえ新たな中期計画を発表する予定。08年147ドルをつけた原油先物をはじめ資源バブルの調整場面と考えられる。折り返しの連結営業利益を見ると、鉄鋼26億円(18.1%増)、情報・電機18億円(14.9%増)、産業資材32億円(19.2%)、生活産業5億円(11.8%増)と全部門増益。同自己資本比率も36.5%(11年2月期23.7%)に上昇。受けて立つ構えだ。苦戦中のポーランド現法が液晶から自動車関連に切り換え再建に意欲。昨年8月立ち上げたメキシコ現法よし。ブラジル現法はこれから。いずれも中長期の取り組みに変わりない。海外21ヵ国38社と国内34社、合計72社の子会社と国内25拠点のネットワークによるもの。10月下旬MRJ初飛行、12月に「エアロスペース・マッチング・イン・名古屋」が開かれ、今秋以降東海地方の航空機産業に追い風。昨秋「エアロマート」(航空機の世界的な商談会)が国内初の名古屋であり、17年再び名古屋に決まった。ボーイング、エアバスに重工、川重など国内外航空機大手とマッチングが予想される。政策投資銀行が広銀と大垣共立、名古屋銀3行と次世代エンジン開発計画に協調融資も伝えられ、同社にとってもビジネスチャンス。新興国の経済成長により航空機の需要が拡大しているためで、試算によるとジェット機が20年後現在の1.9倍になるという。既存事業の改良・改善のほか航空機ビジネスが創業350年の目玉になりそうだ。資源バブルの反動を前向きに吸収すると、連結売上高1兆円のエネルギーに変わる。

2016年2月期(連結)は、売上高8500億円(4.1%増)、営業利益170億円(5.0%増)、経常利益200億円(2.4%増)、純利益130億円(4.2%増)に修正なし。配当160円(中間80円)の予定。設備投資52億円(前期41億円)の計画。今年後半から調整運。3年続く見込み。この間の仕込みが創業400年の糧(かて)。航空機のほかロボット、3Dプリンター、水素製造用改質触媒、スマートハウス(HEMS)関連など続々登場。踊り場、転機を迎え動き出そうとしている。

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