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企業レポート

基盤整備がテーマ セリア 10月9日 (2015.10.08)

100均の基本政策堅持 

今後10年200店ペースで出店

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セリア(2782・JQ)は続伸。堅調な折り返し。ピーク更新が続きそうだ。前半既存店101.5%(計画99.8%)、直営出店66(退店16)によるもので後半強含み。持続的な出店拡大に向けて基盤整備がテーマになった。昨年5月、副所長を大幅に増員し店舗支援を後押し。同7月、勤務管理システムを刷新。さらに、円安、材料高によるコスト上昇に対し商品開発面で原価改善を図るなど生産性向上に傾注。徹底して100_均にこだわり、企画やシステム、規模のメリットを通じて価値のあるものを提案する仕組みに改めるという。前期後半、期間平均在庫を売り上げ原価で割った回転率1.81。2年余りで1割以上好転し安定してきた。9月24日、延長コードで初のリコール。販売した244万個のうち1つで、むしろ消費者庁の指導により引き締まった印象。2014年度JCSI(顧客満足度指数調査日本版)で顧客満足度と知覚価値3年連続1位を獲得。近隣より全国から出店オファーが寄せられ、すでに来期150(今期130)を固めた。東日本大震災直後62に落ちたが、2016円3月期以降出店ペース200。10年維持する体制を目指しているのに変わりない。1987年の設立から27期連続増収。今後インフレ、格差拡大といわれる中で米利上げ先送り、中国経済の減速、資源安などデフレに適応。円安や増税を受けて100_均を上回る商品が続々登場する中で100均の基本政策堅持。消費者の信頼にこたえるという。それも、仮説と検証により理想的な商品構成を追求するPOSデータ(発注支援システム)に基くもの。1Qの営業利益率8.48%(前期8.75%)。日用品中心の小売業でダントツのレベルだ。最大手ダイソーが国内2800、海外25ヵ国840店舗でスケールメリットを謳歌しているが、2位の同社は2004年業界に先駆けて導入したリアルタイムのPOS(販売時点情報管理)が品質と在庫回転率の改善に貢献。全体の取引で80%以上占める主要取引先50社と年に2度情報交換し、毎月商品を500点前後入れ替える。最近の円安で日本製シフト。ひところ2万点を1万8000点に絞り改良・改善に余念がない。仮に今後10年出店ペース200となれば、ざっと2000億円増収、170億円営業増益。未曾有の過渡期で検証するに値する。昨年9月キリマンジャロ(5895m)と述べ、今年8月6290円まで駒を進めたが、エベレスト(8844m)が視野に入ってきた。

2016年3月期(非連結)は、売上高1292億円(9.2%増)、営業利益107億円(1.7%増)、経常利益同(0.5%増)、純利益70億円(4.2%増)と慎重な見通し。5円増配し期末30円配当の予定。設備投資50億円(前期45億円)の計画。前期増税の反動をキャラクター商品のヒットで乗り切ったが、今期これといった目玉もなく全社109.1%の折り返し。10月2日発表された総務省の家計調査(2人以上の世帯)によると、実質消費支出が6月-2.0、7月-0.2、8月プラス2.9に回復。上振れも考えられる。社運を見ると、今年からプラスの大きなうねり。河合社長(48)は安定しており、本当に必要なことを考える時という。時価総額2150億円。地元の大垣共立銀(8361)1660億円を抜き、セイノーHD(9076)2590億円に迫ってきた。30日に2Q発表の予定。比較にならないが、セブン&アイHD(3382)と似ているところがある。

 

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