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企業レポート

5期ぶり最高益 澁谷工業   10月4日 (2011.10.03)

底練り3年のエネルギー

50年ぶりのビジネスチャンス

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澁谷工業(6340)は急回復。5期ぶり連結最高益更新の見通し。活気に包まれている。前期の連結受注高661億円(17%増)、同残高も303億円(33%増)と最高。消化に追われているためだ。中国や東南アジア中心に飲料向け無菌充填ライン。製薬業界向け薬品・化粧品プラント、農業用選果選別プラントなど2ケタの高い伸び。前期3Q震災に伴う納期遅れ、投資先送り、部品調達難航、さらに助成金減少による農業用プラント受注の反動が主因。同2Q下方修正したパッケージング・メカトロ事業のはね返りもあり1年持ち越した印象。08、09年リーマンショックであく抜け。今年3月80周年を迎え、もう一皮むけるところだ。その点、EB(電子線)無菌充填システム再生医療システムなど次世代技術が突破口。EBにはコカ・コーラが関心を寄せ北陸に足を運んでいる。国内ナンバーワンやオンリーワンといわれるプラントや装置が売り物だけに、今後海外(前期連結23%)の伸びが焦点。今年2月ドイツの大手ボトリングメーカーKHS社と販売提携し、無菌充填システムを世界に拡販する旨表明した。ワールドワイドでは、欧米よりタイ、上海駐在員事務所を足場に中国、アジアの市場拡大が見どころ。すでに連結売上高1000億円(15年6月期)を宣言している。昨年1月約50億円投入し、地元金沢テクノパーク内にEBシステム森本工場(敷地1万2768坪)建設を決めた理由がわかる。

11年6月期(連結)は、4%増収、80%営業減益、83%経常減益、純損8400万円。計画を下回った。売上高が最高だけに期待をもてる。3月に創業80年を数え、2度目の事業確立期という節目。次期つながると本物になる。12年6月期(連結)は、売上高720億円(23%増)、営業利益32億5000万円(8.5倍)、経常利益31億2000万円(9.2倍)、純益18億円の見込み。配当は10円(中間5円)の予定。初代運の会社。1959年ボトリングシステム1号機を開発し、64年名古屋中小企業投資育成1号で成長軌道入り。ざっと50年ぶりのビジネスチャンス。直近2期「上げ潮」のテーマと合っている。市場は、9月1日929円を戻り高値に中心値780円のもみ合い。底練り3年のエネルギーがたまってきた。

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