1Q上振れ延長上 カネ美 9月16日 (2015.09.15)
商品のパワー上げる
踊り場抜け出すカウントダウン
カネ美食品(2669・JQ)は好調。1Q上振れ2Q延長上。通期でも期待をもてる。前期4Q助走によるもので、これまで継続して取り組んできた施策が実を結び始めた。テナント事業の既存店が一例。重点的に定番商品を見直しカテゴリーごと核となる商品を育成。これらを徹底的に売り込むため人員・製造計画の精度を高め、研修で接客サービスの向上を図るなど店舗運営の強化に取り組んだ。9月7日発表した月次売上高(8月)も一例。日本の実質GDPが4~6月期年率-1.2%と伝えられる中でテナント事業の既存店計102.9%(4~8月累計105.0%)。外販事業の既存工場計106.7%(同107.4%)にレベルアップ。採算も大幅に改善している。外販事業の場合、関東・中部・関西の複数工場で製造アイテム集約。工場間の異動や工場内の職務変更に伴う人材教育と管理体制の強化。おにぎりや手巻寿司製造機など設備更新を通じて品質、生産性向上にロス削減。サークルKサンクスのシェア拡大や鉄道系コンビニや宅配関連にも安定した納品ができるようになった。難航しているユニーグループHD(8270)とファミリーマート(8028)の統合を来年9月に控え、業界再編のうねりが高まっているだけに緊迫した印象。チャンスとピンチが同居している。たとえば、統合によりファミマとサークルKサンクスの合計店舗が約1万8300(うちココストア650)を数えセブンイレブンと肩を並べる見通しだが、愛知県に限ると約1800で猛追するセブンの倍弱。統合までライバル関係にあり、弁当を例にとるとメーカーや商品も絞られる見込み。このため、商品のパワーを上げるほかない。カウントダウン1年を切った。統合が実現すると、コンビニ大手3社のシェアざっと9割。メガバンクや石油元売りなどと似た構図。地元愛知県を目玉に存亡をかけた死闘が始まる。
2016年3月期(非連結)は、売上高870億5900円(1.7%増)、営業利益27億7500万円(4.2%増)、経常利益28億5000万円(3.3%増)、純利益16億1500万円(7.7%減)の見通し。配当55円(中間27.50円)を据え置く予定。設備投資10億4700万円(前期8億6500万円)の計画。6月18日の株主総会。出席者506人で27人増え所要時間50分頂度。質問11を数え比較的活発だった模様。3月23、24日のリリースで「寿司御殿 赤池本店」の食中毒事故が報告され、ノロウィルス検出に伴う初の営業禁止処分4日を受けた。改めて再発防止と衛生管理体制強化に取り組んでいる。テナント事業の出店5(退店12)、改装1で期末301(前期末308)の見込み。絞り込んだ。昨年後半から上昇運。三輪社長(45)も来年上昇運入り。踊り場を抜け出す公算が大きい。2019年(創業50周年)が折り返し地点。これから4年踏ん張りどころだ。11日、中日新聞社会事業団を窓口に関東・東北水害救援金1000万円を寄託した。