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企業レポート

次第に持ち直す 藤久 9月9日 (2015.09.08)

本格的な反転を示唆 

教えることが学ぶことと表裏一体

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藤久(9966)は反転。2年越し三角もち合い終盤。次第に持ち直す見通し。新店効果に通販の増収が見込まれるためで、前期22.0%営業増益が手掛かり。予想を下回っただけに慎重だが、7月まで順調にきて8月に入り一服。若者の間でUVレジン(アクセサリーパーツ)やデコポッジ(貼り付けデコレーション)が人気化する一方、年配向け定番商品の落ち込みが目立ち5ヵ月連続既存店の増収が微妙になった。総務省が8月28日発表した家計調査(2人以上の世帯)によると、7月の実質消費支出0.2%減(6月2.0%減)。1世帯あたり28万0471円で依然東日本大震災の2011年3月29万1900円を下回っている。原油安のマイナス効果と中国リスクが気になるところだ。同社の場合、前期「アナと雪の女王」が「妖怪ウォッチ」と並びキャラクター生地・関連商材の増収に貢献。今期ディズニーのキャラクター「ツムツム」を投入し反転を後押し。このほか、4月の日本ボビーショーで「アリス」をキャラクターにしたハンドメイド体験講習会が好評。気迷いの顧客に全国約3800の講習会を通じて提案が活発になった。08年開講以来、前期末まで222(純増61)に拡大したクライ・ムキ式ソーイングスクール、出張・シニア向け講習会などしばしば。「教えること」は学ぶことで顧客層が広がっている。通販は53億円をピークに8億8100万円(2011年6月期)がボトム。今期14億円(前期11億1000万円)が目安で20~30億円レベルに戻す構えだ。しかし、ネットが過半を占め競争激甚。2012年(60周年)を境に次の一歩を模索している。前回述べた業務改善改革委員会が発足した昨年潮目。全国491(前期末490)店舗の現状が明らかになり7月から管理職教育が始まった。合理的な経営を目指すもので、20~40代延べ50人を対象にリストアップ。次世代を担う人材の育成が狙い。専門のほか経営一般のカリキュラムも盛沢山で今、来期転機。客観情勢が悪化しても乗り切れる。社運を見ると、来年調整運明け。変化が現実になる見込み。今期、既存店103.8%(前期98.2%)を目標にしている。

2016年6月期(非連結)は、売上高239億2000万円(8.1%増)、営業利益7億4000万円(8.5%増)、経常利益7億4400万円(8.6%増)、純利益2億6500万円(5.4%減)の見通し。配当32円(中間16円)を据え置く予定。出店40(退店25)の計画。商品面でファンルームやアイロンビーズなど「こども手芸」、ツムツムをはじめ「おとなディズニー」の提案が見どころ。これまで消費増税に伴う駆け込みと反動をこなし、入園・入学用品など需要期3Q(来年1~3月)が焦点。消費税10%が流動的になり、来年7月衆参W 選も伝えられる中、幹部や社員、店舗レベルが上がれば顧客層も厚くなる。通販にも共通するもので、教えることが学ぶことと表裏一体の関係。今、来期の仕込みが本格的な反転を示唆するものだ。

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