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企業レポート

仕込みよし 三谷産業 8月5日  (2015.08.04)

必要なものが残る場面 

リターン大きいベトナムの事業

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三谷産業(8285)は仕込みよし。今、来期連結収穫期入り。絶好のポジションにつけた。前期連結16億7400万円計上し償却負担ピークアウト。今期から採算が好転するためだ。前回述べた日医工(4541)と合弁のアクティブファーマ富山八尾工場が2015年3月から稼働。東京町田工場と2拠点体制で生産移管を進め17年度延べ18品目に増加。前期35品目54億円が3年後トータル80億円レベルに拡大。日医工のほかジェネリック大手に食い込み見どころ十分だ。15年8月から本格稼働を目指し富士通(6702)グループのFCV社と合弁でベトナム・ドンナイ(南)に立ち上げたADMS社も有力な手掛かり。車載用樹脂成形品と複合ユニット製品を一貫生産しリードタイム短縮。ABCD社ドンナイ工場から金型と成形機の移管を進めてきた。さらに、15年2月ABCD社ハイズン工場(北)の増強が完了し3年後約1.5

倍のキャパ。富士通と半世紀のつき合いがあり海外でも信頼関係の積み重ね。今期ベトナム関連事業89億4100万円(前期75億5500万円)の見通し。同国の従業員約1600人の規模。連結で8割を占める。由来、ベトナムは名を捨て実を取る国で中国や米国と対抗。中国と歴史に残る15回の戦争で徹底的に抵抗している。日本はODA最大の支援国で同社も一翼を担っているが、1986年ドイモイ以後市場経済に移行したのが追い風。どんな試練もこなすといわれるベトナム人に対し、本気でつき合うとリターンも大きい。93年に進出し南北で事業を立ち上げた経緯から10、20年後楽しみだ。伸びしろが魅力である。今期の計画によると、樹脂・エレクトロニクス関連事業がリード。売上高60億6700万円(22.0%増)、営業利益4億8500万円(59.4%増)の見込み。主力の化学品も売上高318億5200万円(6.0%増)、営業利益11億6000万円(42.5%増)と堅調な見立て。半面、原油安を受けてエネルギー関連、情報システム関連事業が泣きどころ。空調設備関連の元請とリニューアル比率が上がっており、住宅設備機器関連事業もプロ意識に目覚めた。新国立競技場を反面教師に東京五輪、リニア、北陸新幹線など関連需要に現場で取り組めばわかる。今年3月19日から東・名証第一部に指定替えされ一皮むけたところ。今、来期モノにするともう一皮むける。今年後半から調整運。本当に必要なものが残る場面。油断大敵だ。

2016年3月期(連結)は、売上高715億円(6.1%増)、営業利益18億円(30.6%増)、経常利益20億5000万円(7.0%増)、純利益12億3000万円(24.8%減)の見通し。配当6円(中間3円)を据え置く予定。設備投資9億9000万円(前期21億1400万円)の計画。単元株主が2082から6512人に急増し、6月17日の株主総会も盛況。約150人(前年同110人)の出席者の中に東京から7、8人。時間約90分で4人から6つ質問があった模様。4月に728円をつけ09年75円から10倍返し寸前。上場来高値2390円まで間がある。金沢で最終21時の新幹線に乗ると23時30分に東京着。うまく時間を使うと予想以上に生産性が上がりそうだ。

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