新体制で総動員 アスカ 7月28日 (2015.07.28)
100年のインフラ
インドネシア先駆け国内集約
アスカ(7227)は2月から新体制。連結減収減益で折り返した。6月25日の修正発表によるもので、昨年8月稼働したインドネシア現地法人の操業費用発生が主因。今、来期胸突き八丁。2017年稼働予定の三菱自(7211)インドネシア工場に先駆け助走に入った。この間、近隣の高浜工場を刈谷の本社工場に移管し幸田工場と2か所に集約。プレス部品の人件費や物流コスト合理化と跡地利用で国内の生産性を引き上げる。さらに、海外で大手自動車メーカー向けロボットシステムが伸びており、日本をはじめ米国、中国、インドネシアのほかメキシコでも生産を検討中。ちなみに、日本とインドネシア5000キロ、米国の拠点ケンタッキーとメキシコ3000キロを結ぶビジネス。新体制でないと、たちまち息が上がる。道理で2月26日の総会。出席者60人、時間30分、質問なしの歓迎ぶり。片山社長(47)が20年、バッテリーを組む片山常務(35)も16年若返った。新旧経営陣挙げて総動員体制。昨年後半から上昇運。2015~17年よし。次世代の仕込みに追われている。しかし、7月に三菱自が米国生産を打ち切り、タイ、インドネシア、フィリピンを拠点にアジアシフトを決めたばかり。焦点のインドネシアも大統領選から1年。ギリシャ・中国の金融危機や米国利上げを受けてルピア、ジャカルタ総合指数が急落。東南アジアから緩和マネー流出が伝えられ、ジョコ政権は7月から国内で外資系企業を含め原則ルピア決済を義務づけた。3月下旬来日したジョコ大統領がトヨタ本社を訪れ、豊田社長(59)は2000億円投資してインドネシアの生産車輸出を3倍に増やす旨を伝えたという。同下旬、三菱自が新工場を起工。インドネシア国内のほか東南アジア向け年8万台生産を明らかにした。アセアン6億人(欧州5億人)の平均年齢が29歳といわれ10、20年先楽しみだが、三菱自が370億円投入して2017年立ち上げる新工場とトヨタが2000億円で生産車輸出を3倍にするまで仕込みが先決。今、来期事業100年のインフラにかかってくる。同社の場合、2023年(70周年)を口火に33年(80周年)、43年(90周年)に三つ山が見える。
2015年11月期(連結)は、売上高191億円を187億円(0.6%減)に見直したほか、営業利益2億2000万円(20.5%減)、経常利益3億円(26.4%減)、純利益1億円(55.6%減)を据え置いた。配当10円(中間4円)の予定。設備投資11億円(前期29億2800万円)の計画。自動車部品が思ったより落ち込まず、配電盤堅調。ロボットシステムは大口が抜け端境期。モータースポーツ続伸、太陽光発電事業も収益に貢献する。人材教育事業を3月に売却し1億3900万円特益を計上。営業外で保険解約返戻金1億1800万円も計上した。ジャカルタには、わずか1キロの距離で巨大な日本大使館とアセアン代表部がある。同社の将来は2015、16年次第。昨年より今年、昨日より今日よければ大丈夫だ。片山社長が会社と同運で強いパワーに包まれている。