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企業レポート

上振れの印象 エイケン 7月23日 (2015.07.22)

海外の引き合い旺盛 

来期にかけて最大の懸案具体化

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エイケン工業(7265・JQ)は尻上がり。予想以上の折り返し。弾みがつきそうだ。1、2Q主力のフィルター24億8500万円(6.6%増)、燃焼機器1億5800万円(21.1%増)が手掛かり。フィルターの場合、国内が思ったほど落ち込まず、海外の高い伸びによるもの。採算も改善している。6月蒸し返したギリシャ、中国危機が7月になって後退し円安シフト。再び海外で割安感が広がり品質が評価された。以前猛烈な円高で値下げした経緯から、一部値上げも浸透し数量に跳ね返っている。フィリピンをはじめ東南アジアの引き合いが旺盛で、ルーブルと原油安に見舞われたロシアの落ち込みを吸収。通期の輸出が前期(20億5200万円)を突破しピークを更新するのも時間の問題。短期的に円高になっても中長期円安との見方から、前回述べた第7工場の西2000㎡に新棟着工の計画が持ち上がっている。倉庫を含め様々な角度から検討が必要で前向きな材料。最大の懸案が来期にかけて具体化する見通し。輸出は伸び代が大きく、生産性を上げ日本製にこだわると国内(前期29億1000万円)以上のもの。濾過・プレス技術とIT化により高品質・低コストシステム移行が見込まれる。2019年(創業50周年)が事業100年の折り返し。有力なインフラになりそうだ。国内で商社やガソリンスタンド向けが苦戦する一方、カーショップ向け増収。ツインの高性能フィルターが売れ筋という。大型車用フィルターもさばけている。トヨタグループの外注を2年難なくこなしたのも受注拡大のあかし。前期反転し今期続伸の燃焼機器に復活のきざしがうかがえ、全社レベルで大きなうねりが感じられた。1月28日の株主総会。出席者30人、時間も約30分で質問なし。立て板に水だったという。EVや燃料電池車の時代になるとフィルター不要といわれるが、国内外、在来車が圧倒する中で乗り換え需要も長期化。高品質、低コストになりもう一皮むけると徹底的に在来車とつき合える。来年から3年上昇運。次の50年に一歩踏み込めば、それなりにリターンも大きいとみられる。

2015年10月期(非連結)は、売上高51億円(横ばい)、営業利益3億1100万円(4.7%増)、経常利益3億3100万円(3.7%増)、純利益2億8000万円(2.4%減)と当初通り。配当も期末15円を据え置く予定。設備投資3~4億円(前期1億3800万円)の計画。しかし、3Q発表(前期9月5日)にかけて上振れの印象。人口約3万5000の御前崎市にとって、中電の浜岡原発を抱えながら健闘する同社の設備投資、雇用増がどんなに有難いかよくわかる。同原発のほか御前崎の灯台、御前崎グランドホテルを見れば明らか。早馬社長(58)も来年上昇運で2015~16年ビジネスチャンス。株価がいち早くリーマン前に戻し、最高純利益(98年10月期3億2800万円)更新を視野に右肩上がりになった。

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