大阪府警の処分待ち
2Q締まると需要期3、4Q一変
木曽路(8160)は水面下。1Qじわり浮上。あく抜けが近い。昨年8月に発覚した食肉偽装問題で消費者庁の行政措置命令をすべて実行。唯一、3月大阪府警に書類送検された不正競争防止法違反の疑いが残り処分待ち。厳重でなく相当処分なら不起訴。業績回復の手掛かりになりそうだ。通期の既存店100.3%の見通し。昨年10月86.52%まで落ち込んだ同客数が2月の99.61%に次ぎ5月95.80%まで改善。市場でも3月2180円を戻り高値に昨年8月発覚直前の水準を突破。日経平均と連動する経緯もあり、半年先取りしたとみられる。6月25日の株主総会に220人出席(昨年230人)。85分(同29分)で閉会。16、17質問が出た模様。批判や提案のほか激励もあり活況。むしろ、松原社長(59)が腹をくくり丸く収まった様子。前回述べたように、過去6年遡り前例がなかったせいか、これまでになくオープン。つかえが下りて明るくなった。このため、大阪府警の処分を待って失地回復。2Q助走となれば需要期の3、4Q一丸。上方修正も考えられる。来年、いざなぎ景気のもとで民芸風しゃぶしゃぶ「木曽路」開業(瓦町店)50周年を迎える。肝腎なところだ。今期の設備投資18億2000万円(前期11億5400万円)、償却12億2000万円(同13億7000万円)の計画。前期新設1(ウノ)、改築・改装4にとどまり、新設6(木曽路3)、改築・改装9(同7)の見込み。今後、和牛しゃぶしゃぶシフト。反転の目玉になりそうだ。前期末、木曽路118、素材屋18、鈴のれん9、とりかく10、じゃんじゃん亭8、ウノ6。計169店舗で構成。このうち、とりかく(前期2.2%増収)、じゃんじゃん亭(同8.3%増収)が堅調。ウノは伸び悩んでいる。バル業態の出店競争にもまれて個性を見失ったといわれ、システムやメニュー、サービスなど見直しに入った。日本フードサービス協会が6月25日発表した5月の外食市場によれば、トータル100.8%(2014年99.8%)と3ヵ月振り前年を上回った。歴年でも反転が見込まれる。同社の場合、来年しゃぶしゃぶ開業50周年。2016、17年調整運だけに事業100年の仕込み。冷静で地道、前向きな対応が最大手の脱皮につながりそうだ。
2016年3月期(非連結)は、売上高440億円(1.3%増)、営業利益2億円(14.5%減)、経常利益2億5500万円(7.3%減)、純損失2億6000万円と慎重な見通し。配当14円(中間7円)を据え置く予定。7月30日1Q発表の見込み。前期全面改装した「瓦町店」(旗艦店)を評価する声が聞かれる上、日経平均の先高期待が根強いのも事実。このため、計画通り設備投資が決まると予想以上。災い転じて福となすこと請け合いだ。1Qじわり浮上しており、2Q締まると流れが一変する。毎月10日前後発表される月次売上高(速報)が楽しみになってきた。