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企業レポート

ビジネスチャンス 武蔵精密 6月2日 (2015.06.01)

来期からリーマン越え   

グローバルオペレーション確立

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武蔵精密工業(7220)は横ばい。次世代の足固め。大詰め迎えた。来期からリーマン越えが見込まれる。前期の連結実績は、特定販売先のホンダ(7267)13.1%営業減益に対し35.3%営業増益。

従来80%前後あったホンダグループ向けが75%になり、北米でクライスラー、ゼットエフ向けの拡大が同グループをしのぎ売上増加を牽引した。単体17.3%減収(64.3%営業減益)を吸収し連結6.3%増収を確保。北米(111.9%営業増益)とアジア(118.3%同増益)の巻き返しが主因。米国が予想以上のほか、インドとベトナムの生産が後半安定し、タイの生産性が尻上がりに改善している。苦戦中の南米を最小限の落ち込み(97.2%同減益)にとどめ、2016年のブラジル夏季五輪後中長期の市場拡大に備えた。ホンダの「フィット」リコールに伴う減産の影響を受けたが、タカタ(7312)の影響は直接ないという。リーマン後、トヨタ(7203)のように連結営業赤字を計上しなかったホンダがトップ交代。今期から原価改善を徹底する見込み。世界6極体制、輸出比率10%(前期連結3%)と伝えられる。このため、同社にも後半跳ね返り、来期以降ピーク(08年3月期の連結売上高1613億円、営業利益164億円)更新を視野。タイ国いすゞ、ゲトラグ、フィアットなど新規受注も好調であり、2013年10月に発表した14~16年度第12次中期方針を通じて連結売上高2000億円、営業利益10%(20年3月期)が目安に変わりない。次世代ブランド創出と二輪・四輪事業再構築が12次中期計画の戦略テーマ。グローバルオペレーションを確立するため、ヒト、モノ、カネの弾力的なプラットホーム構築を目指しシステムも見直す。リーマン直前の08年(創業70年)を節目に、事業100年の布石を打った。会社が来年から上昇運。大塚社長(49)は今年後半から上昇運で好機到来。滅多にないポジションでビジネスチャンスとみられる。同社の場合、現地通貨建て取引が基本であり、円安や原油安の影響もほとんど受けない。直近四輪売上が6割に迫り、二輪売上が4割程度の状態。ギヤをはじめカムシャフト、ボールジョイントなどユニークな改良・改善に定評がある。
 2016年3月期(連活)は、売上高1600億円(1.1%増)、営業利益117億円(1.0%増)、経常利益105億円(11.6%減)、純利益68億円(6.6%増)の見通し。さらに2円増配し50円配当(中間25円)の予定。設備投資150億円(前期163億円)、償却135億円(同120億円)の計画。設備投資は、14年3月期243億円をピークに一巡。前回述べたインド第2工場、メキシコ工場が10、20年後の布石。償却を定額法に変更し来期以降利益が表面化しそうだ。6月23日株主総会の予定。例年70人程度株主を迎え、むしろ終了後の会社説明会が盛り上がる。地元の株主が大半で前向き。なくてはならない存在という。

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