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企業レポート

脱皮5年画期的 マルサンアイ 5月26日 (2015.05.25)

足もとよし後半弾み  

豆乳玉不足、鳥取に新工場建設

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マルサンアイ(2551) は続伸。予想を上回る折り返し。踊り場を抜け出した。4月24日の上方修正によるもので足もとよし。天気が平年並みなら後半弾みがつくとみられる。

全体の約6割を占める豆乳が前半10%(計画1.4%)増収。採算も好転している。直近、玉不足に追い込まれたのが主因。日本豆乳協会の生産量等調査によると、1~3月計6万8450kl(14.3%増)。昨年同27万9964kl(5.8%増)だけに高い伸び。4~6月、需要期の7~9月記録更新が予想される。このため、現在能力一杯で委託先を含め稼働日増で対応。1年前から増強を検討していたところ、5月8日、鳥取市の布袋工業団地(約9000坪)に新工場建設を表明。2016年1月子会社(資本金2億5000万円)を設立し同5月着工(17年10月稼働)の予定。総投資60億円。国や鳥取県、鳥取市から約20億円補助金が出る見込み。人口57万の県、19万の市も大歓迎。当初雇用50人が100人規模。これまで10年、能力5万klが10万kl。同工場稼働により15万klになる見通し。本社、関東、協力工場(熊本)と並び中・四国が供給エリア。10年がかり、同社設立来最大の案件で100年企業(今年3月63年)の有力なインフラになりそうだ。このほか、2010年3月発表した豆乳グルト1億~1億5000万円、13年9月投入したアーモンド飲料が倍増ペース。09年3月「ひとつ上の豆乳」から脱皮5年。画期的なビジネスチャンスを迎えた。前回述べた工場統合によるみそ再構築(前期黒字転換)、豆乳飲料事業(同最高)の仕込みが利いている。みそ(2Q連結累計5.4%減収)が苦戦。販売チャンネルで通販が出遅れたが、海外、webともに健闘。前期1400万円営業赤字の持分法収益(同1800万円黒字)も改善。これまで3期合理化、コスト削減が浸透し4期連続増収の公算が大きい。2015年度モンドセレクションで「みそ職人 旨み贅沢」最高金賞、「豆乳グルト」が金賞を受賞したのも明るい材料。3、4Q修正発表が楽しみだ。会社は昨年後半から文句なしの上昇運。伊藤社長(64)も来年再び上昇運だけに目を離せなくなってきた。
2015年9月期(連結) は、売上高234億9200万円(5.7%増)、営業利益3億9700万円(16.5%増)、経常利益3億6500万円(15.5%減)、純利益2億5600万円(47.5%増)の見通し。配当は期末6円を据え置く予定。設備投資6億9900万円(前期4億7500万円)の計画。新工場立ち上げにより見直しに入った。国内1000億円市場といわれるみそでシェア5.0%(4位)、同500億円の豆乳で18.8%(2位)。スーパー9割、業務用1割といわれたが海外(推定5%)、通販、webなど販売チャンネル拡大に見どころ。昨年12月オープンした本社前のドミー岩津店には同社製品が目一杯ならんでいる。3月に本社で感謝祭を開催。地域1500人の家族連れで賑わった。従来の評価が一変しそうなポジションにある。

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