三角もち合い カネソウ 4月14日 (2015.04.13)
地道に生産性上げる
プロジェクト控え踏ん張りどころ
カネソウ(5979)は小動き。三角もち合いに入った。消費増税に伴う駆け込みの反動が一巡する一方、円安定着による輸入物価の上昇が高止まり。おしなべてコスト上昇、人手不足など入札不調が主因。悪くないが盛り上がりに欠ける。従来なかったという。首都圏中心にピンポイントの大型工事が集中し、地方が取り残されている印象。4月10日、国交省が発表した建設工事受注動態統計調査報告(確報値)によると、2月の受注高5兆9280億円(8.3%増)。5ヵ月連続増加。うち元請4兆882億円(15.9%増)5ヵ月連続増加、下請1兆8397億円(5.5%減)3ヵ月連続減少。都道府県別で東京が2兆3215億円(19.3%増)にのぼり39.2%を占めた。9月と年度末に集中するが、全体の約3割前年割れ。トータル堅調でも元請、東京に引っ張られたもの。前回述べたように、桑名の鋳物が鉄砲の製造を始めた藩主本多忠勝以来。機械鋳物も明治36年(1903年)から100年有余の伝統産業。ひところ200を超えた工場が現在30社レベル。2015年をピークに世帯数が減少する中で踏ん張りどころに違いない。3Q累計2.1%増収、0.7%営業増益だが、鋳鉄器材(2.2%増収)、製作金物(7.2%増)がリード。鋼材高止まり、電力料金も1割上がったまま膠着状態。このため、約2億円投入し自動倉庫つきレーザー加工設備が稼働。生産性2割向上を目指す。それに、売上高の約3割を占める鋳鉄器材の設備面での増強も検討している。円安や海外生産の見直しを含め生産体制を整備するためだ。同社は首都圏に注力しており、東京五輪、リニア開業、名古屋駅前再開発など待ったなしのプロジェクトを控えているだけに、三角もち合い放れが予想される。業務のIT化、CAE(コンピュータによる設計支援)、3Dプリンターなど次世代の課題。昨年から上昇運。93年の経常利益19億円をピークに20年調整しており、新年度以降反転本格化。近藤社長(59)が変化を受け入れると弾みがつきそうだ。5月8日に決算発表の予定。計画に対し若干物足りないが概ね合格圏内。次期から3期見ものだ。
2015年3月期(非連結)は、売上高84億円(7.9%増)、営業利益7億3000万円(45.5%増)、経常利益6億8000万円(52.4%増)、純利益4億2000万円(55.8%増)が当初見込み。やや厳しいようだ。配当15円(期末7.5円)の予定。設備投資推定3億6000万円(前期2億5200万円)。次期これといったものがなく、地道に生産性を上げるという。1~3月デフレギャップ解消。原油安を手掛かりに4~6月実力以上の景気回復が見込まれ追い風。一株当たり純資産(前期末965円)を目安に水準訂正が始まりそうだ。