着実にモノにする構え
イベント続きビジネスチャンス
岡谷鋼機(7485)は続伸。6期連続増収増益の見通し。後半踊り場とみられる。中期計画≪Gih-15≫(ジー・ダッシュ・フィフティーン)、2011~15年度成長戦略の最終年度。連結売上高1兆円、純利益100億円、海外取引比率30%(2013年度)を巡るもので、前期まで売上高を除きオーバーラン。上々の出来。後半、豪州産鉄鉱石50ドル割れや国内の鋼材在庫調整、原油安に伴う交易条件の改善など転換点が予想されるためだ。3日、雇用統計発表で12万6000人に下振れした米国景気の先行きも悩ましい。回復が伝えられ6月以降利上げを見越したドル、株価の調整を迫るもの。しかし、国内景気が1~3月ないし4~6月に需給ギャップを解消。賃金増や設備投資の拡大により反転する見込み。2月に日経平均がNYダウの絶対値を50年振り上回り、3月以降株高の主導権が回ってきたのも新たな手掛かり。むしろ、雨降って地固まりそうだ。直近5期、自動車と土木・建設関連中心に予想以上。ラッキーな面もあり「今後引き締める」(岡谷社長)という。前期、連結全部門増収。鉄鋼13.8%営業増益、情報・電機8.6%同増益、産業資材22.0%同増益。生活産業のみ26.2%同減益になった。日経平均が期中4000円上がり、投資有価証券297億円の評価益を計上。それでも、連結純資産1731億円に対し、時価総額790億円(46%)に過ぎない。原油安をはじめ今後世界デフレ、中国の景気減速も気になるが、日本の鋼材は海外の製品と正面から競合しないという。それに、懸案のポーランド現法。液晶から自動車関連に切り替え新規受注に注力。2年後をめどに再建を目指す。昨年9月設立したメキシコ現法が目玉。自動車関連中心に世界の市場を取り込む意向でミャンマーよりずっと早く現実的。日本から遠いのが管理面で泣きどころだ。このほか航空機、ロボット関連ビジネスに意欲。水素関連も勉強中。10、20年先の仕込みがうかがえる。国内だけで東京五輪、リニア新幹線、名古屋駅前再開発などイベント続き。願ってもないビジネスチャンス。最適調達パートナーとして一歩一歩着実にモノにする構えだ。
2016年2月期(連結)は、売上高8500億円(4.1%増)、営業利益170億円(5.0%増)、経常利益200億円(2.4%増)、純利益130億円(4.2%増)の見通し。配当160円(中間80円)の予定。設備投資49億円(前期41億円)の計画。前期、海外取引が32.6%(直前期31.2%)を占め、国内取引(7.5%増)を上回る14.8%増の高い伸び。予想される次期中期計画(5年なら2016~20年度、19年に創業350年)で40%レベルに近づきそうだ。今年後半から3年調整運で慎重な対応が望まれる。7月29日にチャリテイーコンサート(3回目)を開催。名フィルをバックに地元出身者の音楽家を支援する一方、チケット売上金全額を愛知県共同募金会へ寄付。地域の社会福祉に一役買っている。