設備投資が爆発 シンポ 3月31日 (2015.03.30)
前期急伸し今期一服
迎えた最大のビジネスチャンス
シンポ(5903・JQ) は復調。前期急伸し今期一服。明るさを取り戻した。2月に3ヵ月振り前年を上回った外食産業の実体を物語るもので、焼肉が2ケタの高い伸び。中でも肉料理とワインの相性がよく若者に人気の「肉バル」がリード。5年後に東京五輪を控え大都市から地方、海外でも日本の「yakiniku」が広がりそうだ。同社は無煙ロースター専業最大手。製品のほか部材、据え付け、その他内装工事などメンテナンスサービス。外食や一般産業向け脱臭、脱煙システムにも実績。08年5月、創業者急逝に伴い田中社長(57)になって最大のビジネスチャンスを迎えた。O-157、BSE、リーマンショック、さらに食中毒問題による法規制など厳しい試練を乗り越え、超低金利、円安、原油安など一昨年景気反転の糸口をつかんだのが手掛かり。極限まで抑えていた設備投資が動き出し、前期消費増税を前に駆け込みとなって爆発した。同3Q10億円にのぼったという。日本フードサービス協会によると、3月25日発表された2月の外食市場売上高100.9%。このうち、焼肉113.9%。昨年外食全体の売上高が天候不順もあり99.8%にとどまる一方、焼肉108.4%。全業態の中で最も高い伸びになった。2月5日の下方修正を見ても大筋計画線。むしろ、社員増や子会社の有価証券評価損が主因。3、4Q昨年の反動もあり9掛けの見込みだが、来期以降01~02年6月期のピーク更新が視野に入りそうだ。12月と6月に偏っていた売り上げ平準化が収穫。2013年10月札幌に子会社を設立しレストランを運営したが、昨年12月業績不振で撤退し減損7500万円を計上したのが反省点。無煙ロースターのシェア首都圏3割以上、中部圏7割といわれ全国で過半を占める最大手。11年7月上海に子会社を設立し、台湾経由で中国市場を開拓。香港やタイ、ベトナムなど海外2、3億円の市場が今後5億円レベルに拡大する見通し。全国焼肉協会の会長も、世界で一番おいしいのが和牛。網で焼くと余分な脂が抜けて体にいい上、どの国の人にも合うタレが味を引きたてると海外にアピール。しかし、高単価で円安と玉不足が泣きどころ。この上、中国の富裕層が味をしめると高嶺の花。品薄に拍車がかかりそうだ。無煙ロースターの普及、牛肉の輸入自由化(1991年)でチェーン展開に入った焼肉業界。厳しい試練を乗り越え需給が締まった。同社の場合、品質、省エネ設計、メンテナンスなど高い評価。2013年から右肩上がりだ。15年から本格的な上昇運。社長も同運で期待をもてる。
2017年6月期(連結)は、売上高40億8200万円(4.3%増)、営業利益5億円(8.9%増)、経常利益5億200万円(8.8%増)、純益2億3200万円(2.1%増)の見通し。配当は期末12円を据え置く予定。かねて全国2万3000店舗、市場規模1兆1000億円といわれる焼肉業界。同社は国内1万6000、海外500店舗に実績。国内№1と同時に海外でも№1.世界オンリーワンを目指すという。以前、焼肉は戦後日本が生んだ食文化。欧州のステーキ、米国のバーベキューとも一線を画し在日韓国人がもたらしたと述べた。無煙ロースターは日本独自の特許で中国の事業が軌道に乗るとアセアンに広がる。93年から8月29日が焼肉の日になった。