踊り場続き反転待ち
改善改革と実需絞り込みが焦点
藤久(9966)は反転待ち。1月23日下方修正し重心が下がった。踊り場が続いている。消費増税の駆け込みと反動を通じて前期の落ち込みが大きいためだ。需要期の3Q、2月上旬まで堅調だったが中下旬一服。3月も気を抜けないという。総務省の家計調査によると、1月の実質消費支出10ヵ月連続減少。2人以上の世帯28万9847円(5.4%減)。昨年12月(3.4%減)から拡大した。東日本大震災の2011年3月29万1900円を下回っている。1年たつと、半年で半値以下になった原油安の浸透が支援材料。貿易収支やGDPなど相当な改善が見込まれる。このため、仕込み次第で全国約3800の講習会、08年開講以来2Q末で200を数えるクライ・ムキ式ソーイングスクール、販売委託制「オーナーシステム」、通販など息を吹き返す見通し。前期47都道府県に店舗(2Q末483)を持ち、東証一部上場を果たして新たなステップの軸足を決めた。1年前に業務改善改革委員会が発足し、半年で約700件の提案が寄せられ約100件採用。様々な取り組みが始まった。取締役で事業本部の商品部長と運営部長、情報システム部長も乗り気。これまで半世紀有余のデータをもとに実需絞り込みが焦点。愛知県を同郷にライバル大手(非上場)がいるだけに切磋琢磨して市場拡大が望まれる。2月26日伝えられた国内最大級の第1回「ハンドメイド大賞」各受賞作品発表が直近の手掛かり。クリエイターを発掘し支援したいGMOペパボと、ハンドメイドの楽しさを広く呼び掛ける同社が共同開催。全国約1万3000点の応募から39点の受賞作品が選ばれ、「森の動物たちのぽんぽんブローチ」が大賞(副賞50万円)に決まった。このほか部門賞、ゲスト審査員賞、テーマ別優秀賞、企業賞など幅広い角度で評価されるのが特徴。原油安をきっかけに今後世界的なデフレが予想され、回を重ねるたび作品のレベルが上がりそうだ。同社の場合、2Q末483店舗のうちソーイングスクール41.4%、オーナーシステム32.7%にとどまり余白が大きい。通販も53億円をピークに8億8100万円(2011年6月期)がボトム。現在10億円台に回復した。ヤフー、楽天、アマゾンにもネットで攻勢。今、来期反転が見込まれる。
2015年6月期(非連結)は、売上高226億400万円(2.5%増)、営業利益7億6300万円(36.5%増)、経常利益7億6200万円(34.6%増)、純益2億5900万円(89.1%増)に見直した。配当32円(期末16円)の予定。設備投資5億5800万円(前期3億3000万円)の計画。オーナーシステムが高齢化・代替わりなど時代の構造変化にさらされる一方、同社も世代交替本格化。年功から実力主義の台頭が予想される。お金に困らない社運で後藤社長(57)も同運だが、今年後半から調整運入り。業務改善改革委員会の提案、実需の絞り込みをこなすチャンス。再び高収益会社に返り咲き、12年前の最高純益(16億円)更新を目指すトレンド。2013年6月に1930円(1株当たり純資産2917円)まで戻し、スケールの大きい三角もち合いに入っている。