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企業レポート

持ち直し強含み  セリア  3月17日 (2015.03.16)

2月実力で切り返す 

100均にこだわりデザイン傾注

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セリア(2782・JQ)は計画線上。2月末に既存店累計101%を確保。落ち着きを取り戻した。3月見込み通りという。昨年11月から3ヵ月連続既存店が前年割れ。2月3日下方修正したが、3月5日発表した月次売上高を見ると2月104.4%に回復。前年消費増税の駆け込み需要で114.0%だけに相当なもの。バレンタインデーを目玉に実力で切り返した。総務省の家計調査によると、2人以上の世帯を対象にした実質消費支出が昨年10月4.0%減、11月2.5%減、12月3.4%減。1月も5.1%減とあって同社の健闘ぶりがよくわかる。前回3Qよし、4Q厳しいと述べたが、2月から持ち直し強含み。円安をこなしデフレビジネス脱却を目指す。2014年度JCSI(日本版顧客満足度指数)第4回調査結果発表が手掛かり。全国6業種のうち生活用品店/ホームセンター部門で同社が知覚価値、顧客満足度で3年連続トップ。ロイヤリティ部門でもトップに立ち、顧客期待や知覚品質、推奨意向でトップの東急ハンズと肩を並べた。2004年業界初POS導入、06年発注支援システム構築によるもの。顧客ニーズに基づく最適な品揃え、オペレーションの簡素化を物語るもので、07年ブランドプロミス「カラーザデイズ」(日常を彩る)1号店オープンから本格化。ボリュームゾーンを席捲し直近3期連続最高益。今、来期続伸とみられる。昨年5月営業副所長を従来11人から倍増、直営1165店舗(3Q末)のケアがスピードアップ。店舗運営がほぐれてきた。今期出店110(退店30)の計画に対し117(同33)に上振れ。三大都市圏に限らず、地域のニーズにマッチした立地を優先。次期130が目安という。人気化したキャラクター商品が一服し、「手作りインテリア」や「いろどりキッチン」など自分らしさを求める商品が売れ筋。すべて顧客の声を形にしたものだ。100均業界は、1989年消費税導入後に急成長。2008年リーマンショック、13年から大幅な円安に見舞われ、14年消費税増税を受けて最大手のほか3、4位も在庫調整に追い込まれた。同社は2位につけ増収増益。今期から中期計画スタート。3つの経営目標と5つの機能別戦略を掲げ独自の展開に入った。今年2月から本格的な上昇運。河合社長(47)は会社より早く上昇運に乗り一歩先を見ている。

2015年3月期(非連結)は、売上高1175億円(7.4%増)、営業利益101億5000万円(0.4%減)、経常利益103億円(0.6%増)、純益64億円(3.3%増)の見通し。5円増配し期末配当25円の予定。設備投資41億円(前期36億7200万円)の計画。欧米でも1ユーロ、1ポンド、1ドル均一の小売業が台頭し、既存の大手小売業に飽き足りない市場を形成。所得格差拡大と連動している。一例がデトロイト。財政再建中にあって1ドルショップが断トツの人気。安売りの最大手ウォルマートも音をあげた。同社は徹底して100均にこだわりデザインにも傾注。2017年(設立30周年)のほか、27年(同40周年)に次の山が見える。

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