案件続出し好調 名工建設 2月19日 (2015.02.18)
同時進行でフル稼働
事実上ピーク更新が続く見通し
名工建設(1869)は好調。前期ピークを更新し高水準。年度末の書き入れ時を迎えた。3Q連結累計、減収減益に見えるものの予算以上。通期でも工事採算の改善が見込まれ、計画を上回る見通し。前期JR東海の新幹線大規模改修工事3年分(336億円)を口火に1115億円(37%増)受注しフル稼働。名古屋駅前の再開発事業と東京五輪、リニア関連事業など同時進行に追われ嬉しい悲鳴。順調にいけば、2027年リニア開業(品川~名古屋)を目安に事実上ピーク更新が続きそうだ。今期の受注を当初660億円に落としブレないのも、新幹線保守、維持、補修を巡る安全確保や品質、技術、工期など合理的な積算によるもの。その点、設計変更もあり140億円見込んだ新幹線改修工事が若干遅れ気味。来期調整し以降単年度で継続する模様。完工高を見ると、前期JR東海432億円で50.6%を占める。昨年9月、今秋開業予定の「JPタワー名古屋」工事現場で雨水が漏れ、地下鉄東山線が一時運休する騒ぎになった。三菱地所が建て替え中の「大名古屋ビルヂング」も、テナント内装工事を理由に来年3月まで半年延期。さらに、「JRゲートタワー」も基礎工事が難航し今年暮れのはずが再来年4月に延期を決めた。そういえば、昨年12月リニア着工が伝えられたものの、品川と名古屋駅のJR東海所有地で行われた工事安全祈願式のこと。しかし、品川駅側で同社の受注が決まり準備工事が始まった。関係者によると、JRゲートタワーの地下工事がリニアのトンネル工事と連動していることから、リニアは地下から工事が始まったという。トータルでスーパーゼネコン中心にオールゼネコンの印象。赤字なしといわれ今年発注が決まる見通し。このほか、名古屋駅スーパーターミナル構想やNEXCOの更新・改修工事、耐震補強工事(スミック工法)など案件続出。同時進行で手が回らない。300人規模の軌道部門を抱えなおさらだ。しかし、前期連結売上高880億円こなし最高益。目一杯と控え目だが、今後900億円を突破しピーク時1000億円に迫る場面も考えられる。時価総額217億円に過ぎず、連結純資産269億円の80%。日本政策投資銀行が、企業の防災力や事業の継続力を評価するBCM格付けで、同社を中部9県のゼネコン中最高の「ランクA」に認定したのも支援材料。記録的なビジネスチャンスがやってくる。
2015年3月期(連結)は、売上高850億円(3.5%減)、営業利益27億円(5.4%減)、経常利益28億円(9.5%減)、配当15億5000万円(16.6%減)と従来通り。配当11円(期末5.5円)を据え置く予定。昨年後半上昇運となり今年から本格化。野田社長(66)は今年から運気好調。どこかで弾みがつきそうだ。施工能力に限度があり、工事採算の改善に尽きるという。4月1日から1単元100株。理想から現実を買う動きになりそうだ。10年スパンで1990年の上場来高値1850円に対しWトップが予想される。