新しいサプリを提案
来年創立70周年迎え助走の印象
太陽化学(2902)は反転。じわり締まってきた。3期連続増収が見込まれ、採算の改善も手掛かり。2月9日発表された3Qを好感し、10日年初来高値を更新した。3Q連結累計5%増収、5.3%営業増益。為替差益が予想以上で15.1%経常増益、13.3%増益。主力3事業5%前後増収で並び、営業損益でアグリフードの好転(6.4倍)が目立つ。通期計画通りだ。これまで市場の変化に対応、グローバル化、品質管理など6項目の課題に取り組み、徐々に結果が出始めた。得意先が日清食品や明治、味の素など大手の食品メーカー。黒衣だけに消費増税、天候不順、個人消費の影響などわかりにくい。円安、原油安もそうだ。しかし、事実締まってきた。前回述べたように、来年が創立70年と上場30年に相当し、再来年も研究所統合新築30年を迎えるため、これから何が出るか楽しみだ。1月20日、子会社タイヨーラボがショコラの専門家辻口博啓氏、順天堂大医学部の小林弘幸教授とコラボで発表した「テアニンショコラ」(2種類の新フレーバー)、「ファイバードリンク」(2種類の味)がヒント。昨年10月29日からパリで開催された「サロン・デュ・ショコラ」(世界最大のチョコレートの祭典)で反響を呼んだ商品。お茶を飲むとほっとするが、旨みや甘味のもとになるテアニン(アミノ酸)によるもの。「テアニンショコラ」には1個あたり煎茶約50杯分のテアニンが含まれているという。「ファイバードリンク」は天然グァー豆由来の水溶性食物繊維を配合。腸内善玉菌のエサになって消化・吸収を助け、血糖値上昇やコレステロール増加を抑える働きがある。グアー豆はインド・パキスタンで古くから食用にしているマメ科の植物。おいしさと健康をテーマに新しいサプリメントを提案している。一方、昨年9月に中国天津の鶏卵加工事業(持ち分50%)をウルグァィの投資会社に約3億3000万円で売却。採算が悪化していたといわれ、申し出を受け入れ10年で手を引いた。中国では開封、無錫、上海にも拠点がありいい判断とみられる。緑茶抽出物、機能性アミノ酸(テアニン)、水溶性食物繊維などニュートリション事業でエビデンス(科学的根拠)の蓄積が進んでいる。中でも、水溶性食物繊維は大学と共同研究で糖尿病予防、抗炎症作用の解明が見どころ。今年から本格的な上昇運。山崎社長(59)はそれ以上で期待をもてる。
2015年3月期(連結)は、売上高372億円(2.4%増)、営業利益22億円(9.1%増)、経常利益23億円(1.0%増)、純益14億円(0.1%増)に修正なし。配当16円(期末8円)の予定。設備投資2億3000万円(前期6億6000万円)の計画。例年4Q需要期から外れ新年度に備える場面。来年5月創立70周年を迎えるため、すでに助走に入っている印象。営業最高益(02年3月期25億円)、経常同(13年3月期27億円)更新が視野にある。時価総額187億円(連結純資産332億円)。自己株393万株の行方も気になるところだ。