4Qダッシュ 大同メタル 1月27日 (2015.01.26)
中期計画前半大詰め
世界トップシェア後半にかかる
大同メタル工業(7245)は強含み。自動車各社の北米拡大、円安、原油安を受けて連結続伸。4Q追い込みに入った。昨年11月見直した中期計画後半(2015~17年度)に備えるもので、生産・販売・開発のグローバル体制構築と非自動車分野の開拓強化に明け暮れた前半(2012~14年度)大詰め。2月12日3Q発表の予定だ。連結国内5.4%増収。アジア14.4%増収、北米25.7%増収、欧州でも13.4%増収で折り返し3、4Q踊り場。前半300億円余、後半も350億円規模の設備投資を発表し胸突き八丁。先行投資負担と船舶や建機など非自動車用軸受けの落ち込みで前半利益が計画を下回っただけに4Qダッシュ。着地が決まると、当初の連結売上高1110億円、営業利益167億円(18年3月期)が射程圏に入りそうだ。すべり軸受全分野で世界トップシェアを目指す意欲的なもの。自動車用エンジン軸受の場合、現在推定3割強に対し4割が目標。その点、13年7月稼働し昨年10月単月黒字を計上したメキシコ工場(現在約150人)がダークホース。米国のフェデラル・モーグルとトヨタ傘下の大豊工業をライバルに、近い将来年間500万台(世界生産の10%)さばき捲土重来。追加投資も辞さない構えだ。リーマンショック前米国に進出し、10年9月末やむなく撤退したが、フォード等からの要請もあり願ってもないビジネスチャンス。次期、黒字転換が見込まれる。一方、愛知県犬山工場に集約されていたバイメタル事業。今後、14ヵ国18生産拠点を結び世界5極体制を担う上で昨年11月佐賀県武雄市に60億円投入し新工場立ち上げを決めた。今年前半着工し来春稼働を目指す。16年操業、約120人の現地雇用を計画している。同市北方インター工業団地12ヘクタールを17億円で買収し5ヘクタール工場用地。伊万里港活用につながり現地も歓迎している。鋼板をベースに様々な特性の軸受層を接合した複合材、精密加工、表面処理技術がコアテクノロジー。九州に犬山と並ぶ拠点を構えいいポジションを確保した。海外でもインド工場で自動車用エンジン軸受(従来足回り部品)、ロシアでトラック用エンジン軸受を生産の計画。原油安をきっかけに新興国の市場が流動的で先進国も伸び悩んでいるが、今年から本格的な上昇運。判治会長(72)、樫山社長(67)も昨年から上昇運に入り隠れた支援材料。19年(80周年)にかけて追い風になりそうだ。
2015年3月期(連結)は、売上高800億円(3.4%増)、営業利益78億円(5.9%増)、経常利益81億円(0.5%増)、純益48億円(1.4%増)の見通し。3円増配し20円配当(期末10円)の予定。設備投資108億円(前期100億円)の計画。償却50億円(同48億円)を大幅に上回る。当面、北米の営業赤字解消が課題。自動車エンジン、同部品軸受が堅調なほか、船舶や建機軸受も不採算案件が一巡しポジティブな印象を受けた。時価総額480億円。連結純資産483億円と肩を並べ、すべり軸受け世界トップを目指す中期計画前半の市場コンセンサス。後半3年にかかっている。