証券ビュー

企業レポート

連続最高益4円増配  矢作建設  1月20日 (2015.01.19)

建築が活気を取り戻す

これから10年ビジネスチャンス

企業HPご案内   前回の企業レポート

矢作建設工業(1870)は連結好調。予想以上の折り返し。4円増配を発表した。3Q巡航速度とみられ4Q追い込み。連続最高益更新の見通し。03年ピタコラム、08年ウッドピタ事業を立ち上げ、文科省の2015年小中学校耐震化100%に呼応。期初ピタコラムがウッドピタを吸収し耐震補強事業収束、再構築にめど。主力の建築工事(2Q累計連結受注高17.1%増)が活気を取り戻した。施工と営業が一体になり商業施設や物流センターなど大型案件を提案営業。設計・積算からコスト適正化を図り採算の改善が目立つ。資材や労務費に理解を示す施主が増えているという。同社の場合、全体の1割前後が官庁。円安が定着し民間で生産施設に設備投資が出始めると本物。人材育成が不可欠になった。昨年11月、名鉄常滑線大江駅構内に完成した鉄道技術研修センターが一例。線路3本とホーム2面のほか、跨線橋、踏み切り、トンネルなどリアルな屋外実験施設と120人収客できる研修棟を備え、前回紹介した鉄建建設(1815)の建設技術総合センター(千葉県成田市)が前例。受け継いだ技術を伝え、省力・無人化に取り組むほか、部外者も受け入れ人材活性化につなげる。これから10年、国土強靭化、東京五輪、リニア、原発解体など建設業界にとって稀に見るビジネスチャンス。ロボットをはじめ機械化が欠かせない。地元でも名古屋駅前に大名古屋ビルヂング(地上34階)、JRゲートタワー(同46階)、JPタワー(同40階)の3大プロジェクトが進行中。筆頭株主の名鉄(9048)も、昨年暮れ近鉄(9041)、三井不(8801)と三者で同50~60階建ての再開発ビル建設を発表した。総事業費2000億円といわれ、同社にお鉢が回ってくる。これまで連結売上高985億円(07年3月期)が最高。従業員も前期末連結1088人(臨時雇用261人)だけに、関連事業を含めピーク時1人あたり1億円レベルのスキルではこなせない。1億円にしても1億5000万円か2億円並みの仕込みが必要。50年か100年に1度の大事業。目前に迫ってきた。今年から3年本格的な上昇運。藤本社長(62)も今年後半から運気好調。絶好のポジションと考えられる。

2015年3月期(連結)は、売上高830億円(0.7%減)、営業利益67億円(1.0%増)、経常利益65億円(1.5%増)、純益36億円(10.5%増)に上方修正した。配当18円(期末9円)の予定。前期ROEが10.7%(直前期4.1%)に対し今期それ以上。業界屈指の水準にある。2月3日3Q発表の見込み。前期、連結で20年振り最高益を更新しオーナー経営、ピタコラム依存体質から脱皮。進境をのぞかせた。最近では太田川駅前再開発が印象的。前回述べた静岡県磐田市の下野部工業団地約15万坪も第2東名をアクセスに工事中。再来年造成を終わり工業団地として生まれ変わる見通し。昨年8月、国土交通省中部地方整備局長から「工事成績優秀企業」に認定され、同9月に建設業労働災害防止協会から安全衛生表彰「優良賞」を受賞した。

>>購読ご案内